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心霊スポットを訪れた後、体調を崩してしまうのは本当? 幽霊のせいばかりじゃない心理現象

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 かねて心霊スポットの一つとしてネットで話題に上っていた、群馬県みどり市にある武尊神社。以前から肝試しに訪れる若者らによって内部を荒らされるなどの被害に遭っており、深夜の奇声や花火などで近隣住民にも被害が及んでいた。

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 こうした状況を受け今年4月、県内に住む男性2人組の心霊系YouTuberが自身の動画で「自分たちが紹介してきたことにも原因がある」と反省し、これを機に心霊系YouTuberとしての活動を改めることを報告。以降、2人はこれまでに上げていた心霊スポットに関する動画を全て削除するとともに、宮司に許可を得た上で自費で神社を修復し、監視カメラを設置するなど、継続的に防犯活動に協力している。

 心霊スポットと言えば、訪れた後に体調不良を引き起こしたというエピソードを耳にしたことはないだろうか。そんな時、本気にも冗談にも、「心霊スポットに行ったから呪われた」「霊に取りつかれたのでは」など、心霊現象を原因とする流れが定着している。こうした体調不良を「心霊現象ではない」と断言することはできないが、身体的な影響や心理現象によるものとして説明できるケースは多い。果たして、心霊スポット訪問後に表れる体調不良には、どんな心理現象が関わっていると考えられるだろうか。

 まず、ただ偶発的なタイミングで引き起こした体調不良を、ただ心霊スポットへの訪問に関連づけているだけという点が挙げられる。これは、予言的な占いを当たったと思える時の感覚にも似ていると言える。

 過度のストレスが免疫力を低下させることは広く知られている。心霊スポットには、「行ってはいけない」「行けば呪われる」などいわくつきの場所が多いが、そうした場所を訪れた後、罪悪感や強い不安感がストレスとなり、免疫力を低下させる原因になる。免疫力が低下すると、かぜをはじめとする様々な感染症にかかりやすくなってしまう。

 「体が重い」「気分が沈む」「倦怠感がある」といった症状については、恐怖体験による筋緊張や、ショック反応と考えることができる。肝試しでは、恐怖で身構え、体をこわばらせてしまうものだ。その結果、翌日以降に体がだるいと感じるのは、ごく自然な肉体的反応と言える。また、恐怖による心理的ショックの反応としても同様に、精神的な疲れとして気分の沈みや倦怠感が表れることもある。

 「霊に取りつかれたかもしれない」という思い込みが、身体症状を引き起こしてしまう場合もある。こうした思い込みによる不調は、個人レベルを越えて仲間に伝播し、集団心理としての効果を引き起こす場合もある。例えば、一緒に心霊スポットを訪れた友人が体調不良になったと聞いた途端、その影響で自分も体調を崩してしまう場合だ。こうした感情や感覚の伝播効果は共感性が高い相手との間で起こりやすいものだが、普段よりもさらにその傾向が強くなるのは、心霊スポットを訪れるという共有体験をしたからこそだ。

 このように、心霊スポットを訪れた後の体調不良の原因は心理現象によって説明できる場合が少なくない。もちろん、心霊現象が原因である可能性も完全否定することはできない。いずれにしても、いわくつきの場所は訪れない方が賢明だろう。
文:心理カウンセラー  吉田明日香

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