注目が集まったのは、「0-8」とオリックス8点ビハインドで迎えた5回裏1死で飛び出たプレー。山田は打席の清水優心を2球目のストレートで詰まらせるが、清水がスイングした際にバットが根元から折れる。折れたバットは回転しながら、打球とともにマウンド上の山田へ向かっていった。
すると、山田は先に飛んできた折れたバットをジャンプして左足を引きながら間一髪で回避し、バットの後を追うように転がってきた打球を捕球。その後はすぐさま一塁に送球しアウトを奪い、同戦の中継で解説を務めていた岩本勉氏(元日本ハム)を「おー! ピッチャーよく取ったな!」と驚かせた。
>>楽天・浅村、大怪我の危機だった? 選手生命を断ち切られた投手も、折れたバットで負傷した選手たち<<
山田のプレーを受け、ネット上には「回避と捕球を同時に行うのは凄い、まるで曲芸みたいなプレーだ」、「普通なら避けることで精一杯になりそうだけど、よくその後に打球取りに動けたな」、「一塁送球はちょっと乱れたような感じもするけど、きっちりアウトを取り切ったのは素晴らしい」といった驚きの声が寄せられている。
同時に、「仮にバットが当たってたらまた故障者増えてただろうから避けてくれて本当に安心した」、「バットが飛んだ瞬間『うわっ、また負傷者が増える』って思ったけど当たらなかったからホッとした」、「結果的には無傷だったけどマジで怖かった、これ以上怪我人が出るのは勘弁してほしい」といった安堵のコメントも複数挙がった。
「最近のオリックスは8月8日に大城滉二が右ひざ前十字靭帯損傷の大怪我をし、同21日にT-岡田が右太もも裏筋損傷で2日後に登録抹消。さらに、同22日にはラベロが左尺骨遠位端を骨折と故障者が相次いでいます。こうした状況もあってか、折れたバットが山田に当たっていればさらに故障者が増えていたのではと肝を冷やしたファンも少なくなかったようです。なお、球界では2011年9月1日・日本ハム対ロッテ戦でロッテ・伊藤義弘の左ひざ付近に日本ハム・陽岱鋼の折れたバットの先が刺さり、負傷交代した伊藤がその後『左下腿三頭筋打撲と挫傷』で約1カ月半の離脱を強いられたケースがあります」(野球ライター)
今季は1日終了時点で「32登板(チーム3位タイ)・0勝0敗6ホールド・防御率3.30」と、首位を走るチームのブルペンを支えている山田。首脳陣も突如見舞われたアクシデントを辛くも回避した様子を見て胸をなで下ろしたのかもしれない。
文 / 柴田雅人