8月26日の広島戦、巨人・菅野智之投手が56日ぶりの先発マウンドに立ったが、初回から2本のホームランを食らうなど苦しい立ち上がりとなった。結果は、6回被安打6失点5。原辰徳監督は後半戦のキーマンとして菅野の名前を挙げていただけに、終盤戦の首位争いにも影響してきそうだ。
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何人かのプロ野球解説者にこんな質問をした。「阪神と巨人、どちらが有利ですか」――。彼らは異口同音に「巨人」と答えるのだが、その予想の根拠は「菅野がいるから」とのこと。フルメンバーで戦っている阪神に対し、巨人はピッチャーでは菅野、野手陣では梶谷隆幸外野手が控えており、「戦力のプラス要素があるから」と説明していた。
しかし、26日の菅野を見る限り、今季中の復調は厳しいのではないだろうか。
「球速? 140キロ台前半でした」
直球のスピード、威力のダウンについては専門家の間で様々な指摘もされている。技術的な説明は割愛するが、最終的に行きつく原因は、「身体作り」ということらしい。
「昨季、投球フォームを変えましたよね。上半身の力を使った投球フォームにしたのは、メジャーリーグ挑戦を視野に入れていたからです。日本の球場のマウンドはメジャーリーグほど高くありません。下半身主導の投球ができるように、もう一度、身体を作り直さないと…」(球界関係者)
試合後、宮本和知投手チーフコーチは「95球投げられたのはプラス材料。次は100球以上」と、“復調の兆し”があったことを強調していた。
しかし、「身体作り」という点で、ちょっと気になった点もあった。前回登板の7月1日と比べ、菅野は少し痩せたように見えた。
二軍降格後、相当量の走り込みをしたのではないだろうか。
選手名鑑では菅野の体重は「92㎏」となっていた。過去3年遡っても同じ数値だったが、今年の菅野はどう見てもお腹が出ていた。春季キャンプ中の話になるが、その件をチーム関係者にぶつけたら、「筋肉が付いてそう見えるだけ。菅野はチームで1、2を争う練習熱心な選手」と反論していた。
「今年の菅野は絶対に92㎏ではない」と思ったが…。
チーム関係者の証言通りだとすれば、筋肉の付けすぎで“身体のキレ”を失ったのではないと思われる。お腹、上半身の筋肉が付きすぎたのも、メジャーリーグ挑戦を意識しての肉体改造によるものだ。お腹周りが少しスリムになったのは、本人もこのままではヤバイと思ったからだろう。
宮本コーチの話しぶりからして、菅野にはもう一度、先発のチャンスが与えられそうだ。次も失敗したら、ダイエット命令も出されそうだ。(スポーツライター・飯山満)