エキシビションマッチ初戦(7月31日)の迎える前日、投手陣を預かる宮本和知投手チーフコーチが「(後半戦の)1戦目は(日数を)逆算してくるので」と、後半戦の開幕投手が戸郷翔征投手であることを示唆した。
同29日になるが、その宮本コーチは不振に喘ぐエース・菅野智之投手について、こうも語っていた。
「ファームで1試合か、2試合投げてから…」
首位阪神を追撃するには、先発投手陣を建て直さなければならない。
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通常、先発ローテーションは6人で回す。戸郷、山口俊、高橋優貴、五輪野球で好投したメルセデスの4人は当確だろう。5人は、侍ジャパンとの壮行試合とエキシビションマッチ初戦で好投した直江大輔ではないだろうか。
しかし、6人目は流動的だ。
「菅野は不振で二軍降格し、再調整して一軍で打ち込まれ、二軍調整という流れを繰り返しています。二軍戦での実戦調整もしっかりやって、次に昇格する時は万全でという意味でしょう」
宮本コーチの発言をそう解釈するメディアも多かった。
菅野が間に合わなかった場合、サンチェス、今村信貴らが6人目を争うことになるとも予想されていたが、“次世代のエース候補”が間に合うかもしれないのだ。
2020年ドラフト2位、山崎伊織投手(東海大/右投左打)である。
山崎は同年6月にトミー・ジョン手術を受けている。個人差はあるが、復帰までそれ相応の時間も要するため、ルーキーイヤーの今季はリハビリに専念すると思われていた。だが、すでにブルペン入りしており、「試合でもイケそう」の声も囁かれている。
他球団で、山崎を知るプロ野球スカウトがこう言う。
「肘の手術がなければ、間違いなくドラフト1位で指名されていました。球速は150キロ台、持ち球はカットボール、チェンジアップ、縦に変化するスライダー。特にスライダーは打者の手元で鋭く曲がっていく感じ」
2月キャンプでのことだ。山崎は他選手に混じって普通にキャッチボールを行っていた。素人判断だが、それなりの距離も投げていたので、「実戦デビューは報道されている時期よりも早いのではないか?」と思えた。
巨人は復帰後のパフォーマンスに期待して指名したわけだが、他球団がアッサリ手を引いた理由は、「社会人野球に進んでリハビリする」と伝えられたからだ。
当然、山崎も二軍での試運転を経て、一軍昇格となる。後半戦の先発枠を菅野ではなく、山崎が獲ったら…。リリーフ登板も十分にあり得る。二軍戦は菅野よりも山崎に注目が集まりそうだ。(スポーツライター・飯山満)