7月28日(現地時間、以下同)のロッキーズ戦の途中、ファールボールが右手親指にぶつかり、8月1日の先発登板を回避。翌2日へのスライドも発表されていたが、エンゼルスはそれを訂正した。「早くても8月5日か、6日。確定ではない」と。
ジョー・マドン監督は「(怪我が)悪化したわけではない」と補足していたが、右手は二刀流の源であると同時に、“ウィークポイント”もある。故障を抱えてながらの出場は完治を遅らせるだけではなく、投打ともに好調さを狂わせてしまいそうだ。
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「大谷は右投げ左打ちです。右手で投げて、右手でバットを振るので、右手を怪我したら、野球ができません」
日本のプロ野球解説者の見解だ。
右手親指にボールが直撃した28日だが、大谷は37号3ランを放っており、翌29日は盗塁も決めている。“ハツラツ・プレー”が続いていたので、日米双方のメディアも登板回避の発表があるため、気がつかなかった。
米国人ライターがこう続ける。
「故障した状況が、よく分からないんですよ。エンゼルスも発表してくれないし…。大谷は指名打者で出場していたので、味方野手が守備についている間、ダグアウト(ベンチ)に座っていました。ファールが跳ね返り、エンゼルスのベンチに飛び込んできたそうです。大谷は2列目のベンチにいて、とっさに両手で頭部をふさいだ時にぶつかったそうです」
その瞬間、大谷は声を上げていない。跳ね返った打球の方向に大谷がいたことは分かっていたが、マドン監督やチームメイトも大事に至らなくて良かったと思い、またグラウンドに目を向けたそうだ。
右手親指の負傷がマドン監督に報告されたのは、試合後だったという。
8月1日、1試合2併殺の屈辱も味わった。負傷後から同時点までのバットマン成績は、4試合2安打1打点。ホームランはゼロだ。「バットを振ること自体、さほど影響はない」との報道もあったが、やはり、実戦でボールを打つ衝撃に負傷箇所が“悲鳴”を上げているようだ。
「大谷は自分から『休ませてくれ』とは絶対に言わないタイプです」
NPB時代を知る日本人メディアがそう言う。マドン監督は球団が登板回避を決めなければ、大谷は先発マウンドに上がっていたかもしれない。
「負傷箇所について、大谷はノーコメント。試合後のオンライン会見も身体のケアやミーティングを理由に辞退しています」(前出・米国人ライター)
米メディアによる報道、現地関係者に連絡を取った限りでは、8月第一週の週末登板が可能だとしても、短いイニングになるとのこと。また、「投手・大谷」は味方打線の援護に恵まれないケースも少なくない。2ケタ勝利に関しては「ギリギリで届くかどうか」というのが大方の予想だ。
1918年以来となる2ケタ勝利、2ケタ本塁打達成は見たい。「痛い」「休ませてくれ」とは絶対に言わない大谷のサムライ・スピリットも応援したいが…。(スポーツライター・飯山満)