再デビュー2戦目となった谷津は、レスリングでJOCジュニアオリンピックに出場経験のある彰人、大和ヒロシ、中村圭吾と新チームを結成。高木三四郎、納谷幸男、力、なべやかんの“親の七光り軍団”ことチーム・サラブレッドが保持する同王座に挑戦した。
先発をした谷津は高木に禁断の義足キック、ワンダースープレックスを繰り出すなど好調な出足だったが、サラブレッドの波状攻撃を食うなど防戦に回る場面も多かった。しかし、高木、力、やかんの3人がトップロープからトリプル・セーバーチョップを狙うも、谷津がかわして納谷に誤爆。すかさず谷津は鋼鉄のヒザで納谷にアイアンニー(ヤツゴェ=カミゴェと同じ技)を叩き込み、監獄固めを決めた。パートナーの3人もそれぞれ監獄固めに入ってカットを阻止。たまらず納谷がギブアップして、チーム・オリンピアンが新王座に就いた。谷津は実に28年ぶりのベルト戴冠である。
試合後、谷津は「ベルトを獲れたのは自分の力じゃなくてチームワークだと思うから。あまり動けないけど、もっとコンビネーション作って。遅咲きのチャンピオンかもしれないけど、これからもよろしく」と満面の笑みを浮かべた。一方、高木は「負けた。強かった。谷津さん、64歳でしたっけ?そう見えないですよ。今日の谷津さんに学ぶことはいっぱいあると思います。みんな、自分たちの信念をもって闘いましょう。サラブレッドはベルトを落として、その役割を終えたと思ってます。今日で解散します」と宣言。本来、“親の七光り軍団”はあと3人集めて、7人にするはずだったが、実現する前にチームが解散となってしまった。
谷津がベルトを獲ったのは感動のひと言しかない。義足レスラーとしての可能性をさらに見せてくれるはずだ。
(どら増田)