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阪神野手がタックルで敵捕手を病院送りに! 球界の歴史を変えた衝撃プレー、中日の痛恨ドローの元凶?

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マートン

 2日に行われた中日対ロッテの一戦。「2-2」で両チーム引き分けとなったが、試合結果以上に話題となったのが最終盤で起こったクロスプレーだった。

 問題となったのは、「2-0」と中日2点リードで迎えた9回表に起こったプレー。この回中日は4番手・又吉克樹が2死二、三塁のピンチを招くと、ここで打席の角中勝也にセンター前ヒットを打たれ三塁走者の生還を許す。ただ、打球を処理した中堅・大島洋平が同点を狙いヘッドスライディングで本塁へ突入した二走・中村奨吾を好返球で刺し、試合は「2-1」で中日が勝利したと思われた。

 ところが、ロッテ・井口資仁監督がリクエストを要求しリプレー検証が行われた結果、審判団は捕手・木下拓哉が中村の走路を妨害していたとして、コリジョンルール(捕手と走者の衝突を防ぐための規則)を適用しアウトからセーフへ判定を覆す。思わぬ形で同点に追いつかれた中日はこれ以上の失点こそ許さなかったものの、9回裏に得点を奪えず引き分けに終わった。

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 試合結果を覆したコリジョンルールの適用を受け、ネット上には「木下は左足でベース塞いでたように見えたしこの判断は正しい」、「捕手もいっぱいいっぱいのプレーなのに厳しすぎないか?」と賛否の声が寄せられた。一方、「こんなルールを作らせたマートンが全ての元凶」、「文句言ってる中日ファンはマートンを恨めよ」といったコメントも見られた。

 コメントで挙がっているマートンは阪神(2010-2015)でプレーし、「832試合・.310・77本・417打点・1020安打」といった数字を残した助っ人。今回話題となっているコリジョンルールは、このマートンのプレーが導入のきっかけとなっている。

 2013年5月12日に行われた阪神対ヤクルト戦。「0-1」と阪神1点ビハインドで迎えた4回表1死一、三塁、打席の藤井彰人が中飛を打ち上げると、三塁走者のマートンは本塁にタッチアップ。タイミングはアウトだったが、マートンは構わず捕手・田中雅彦に覆いかぶさるような形で衝突した。

 田中はボールを落とさずマートンをアウトにしたが、衝突後、地面にうずくまったまましばらく立ち上がれず、その裏に打席に立った後に途中交代。同戦で解説を務めていた元捕手の達川光男氏(元広島)は「今のマートン(に)はふざけるな(と言いたい)、あんなことしちゃダメですよ」、「あんなボールを落とさせるような、そんなスライディングしちゃダメです。スポーツマンシップに則ってないです」とマートンを厳しく批判した。

 「4-2」で阪神が勝利した試合後、マートンは「捕手をケガさせようと思ってやったわけじゃない」と釈明。ただ、田中がこのプレーで左鎖骨を骨折し登録を抹消され、ヤクルトファンからは「なんてことをしてくれたんだ」と批判が噴出した。

 ところが、マートンはその後も2013年6月22日・DeNA戦で高城俊人に、2015年5月13日・ヤクルト戦で西田明央にそれぞれ本塁上でタックルをお見舞いするなど危険なプレーを連発。このこともあり、同年7月の12球団監督会議でヤクルト・真中満監督、ロッテ・伊東勤監督らが、本塁上でのクロスプレーに明確な規定を定めるべきではないかと問題提起。選手会も同様の要望を出していたこと、前年にMLBでコリジョンルールが導入されていたこともあり、翌2016年からNPBでも同ルールが導入され現在に至っている。

 危険なプレーでNPBの歴史を変えたマートンだが、普段は非常に真面目な性格でファンサービスにも積極的なことで知られた助っ人だった。そのため、当時は「なぜ試合になると性格が豹変するのか」と疑問を抱くファンも少なくはなかった。

 2日の試合ではコリジョンルールにより勝ちを逃した中日だが、同ルールがなければ木下と中村が本塁上で正面衝突していた可能性もある。そのため、中日ファンの一部からは「白星と引き換えにお互いの怪我が防げたと考えよう」と前向きに捉える声も挙がっている。

文 / 柴田雅人

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