五年ほど前にお付き合いしていた恋人は美容師で、私は彼のお店のカットモデルをしていました。月に一度ほどは彼のお店で髪形を整えてもらったり、写真を撮ってもらったりしていたんですが、彼は私生活でも私の髪をとても気に入ってくれており、「帽子をかぶっちゃだめ」だとか、「髪をきつく縛ると痛むからやめた方がいい」とか、髪の毛に対していろいろなアドバイスもしてくれていました。
そんなある日、私がいつものように髪を切ってもらっていると、彼が「ちょっとだけお店の奥に来てもらっていい?」と言い出しました。言われた通りにお店のバックヤードについていくと、彼はそこでいきなり土下座をしてきたのです。いつスタッフさんが来るかもわからない場所でいきなり土下座をされ、私は少しパニックになっていました。すると、彼は「どうしても初美にしか頼めないことがある」と言い出したのです。その内容というのが、私の髪を食べたいから一房分けてほしいというもの。この申し出には、さすがに言葉が出なくなってしまいました。
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彼曰く、昔から綺麗な髪の人を見るとムラムラしてしまい、更に「食べたい」という欲求が大きくなってくるとのこと。私の髪の毛もずっと食べたいと思っていたが、拒絶されるのではないかと思ってなかなか言い出せなかったとのことでした。どうしても私の髪の毛が食べたい、と懇願してきた彼には悪いのですが、すでに私はドン引き。そもそも髪の毛って食べても大丈夫なものかどうかもわかりません。気分が悪くなった私は、彼に「それだけはできない」と謝ってなんとかお店から出たのですが、彼からはしばらく、「どうにかして髪の毛を食べさせてもらえないか」という連絡が続きました。
今はもう彼の連絡先も削除して別の人とお付き合いしているのですが、あれ以来髪を伸ばすことが怖くなってしまい、以来ずっとショートヘアを保っています。
取材・文 篠塚まちね
写真 ict.wa4