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ジャニーズ退所の元キンプリ岩橋、パニック障害を患いアイドルを続けるのはほぼ不可能?

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 ジャニーズ事務所は3月29日、アイドルグループ・King  & Princeの岩橋玄樹が、31日をもって同事務所を退所することを発表した。岩橋は、幼少期から抱えていたパニック障害の療養のために2018年11月から芸能活動を一時休止しており、活動再開が待たれていた。

 岩橋と同じく、パニック障害に悩んだ経験があることを公表している芸能人は少なくない。例えば、お笑いコンビ・中川家の剛や美容家のIKKO、ミュージシャンの星野源、タレントの長嶋一茂などがいる。同じジャニーズグループ・Sexy  Zoneの松島聡やKinKi Kidsの堂本剛、日韓で活動するK-POPアイドルグループ・TWICEのミナ、ジョンヨンをはじめ、その他K-POPアイドル複数名も罹患を公表しており、いずれも治療中は活動を休止していた期間があった。

 パニック障害は100人に1、2人の割合で発症すると言われているため、芸能人やアイドルで発症する人がしばしば見られるのも不思議ではない。しかしこの病気は、こと「アイドル」という職業との相性が悪いと言える。

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 そもそもパニック障害とは、原因不明のパニック発作を不定期に繰り返す病気で、具体的な症状には、動悸・めまい・発汗・窒息感・吐き気・手足の震えなどがある。いずれも日常生活に支障を来したり、死を予感するほどの苦しさであるにもかかわらず、病院で検査を受けても特に異常が見られないため、周囲の理解を得にくい場合がある。「また発作が起きるかもしれない」という予期不安にさいなまれるのも特徴の一つで、電車やバス、エレベーターなどのすぐ逃げられないような状況を避けるようになるという行動パターンも見られる。

 パニック障害の原因は未だ明らかになっていないが、過労や睡眠不足、心理的ストレスといった心身の不調がパニック障害の引き金になることが分かっている。アイドルといえば、人気とともにメディアの出演依頼が増え、並行して歌やダンスのレッスンをこなしてオーバーワーク気味になったり、仕事の時間帯も不定期であることが多く、不規則な生活になりやすい傾向がある。また、人前でパフォーマンスをする際の緊張感やプレッシャーによるストレスは大きく、ネットでも悪質なデマに悩まされたり、誹謗中傷の的になりやすい。計り知れない心理的ストレスとも向き合わなければならない。アイドルはパニック障害を引き起こしやすい要素を多く持っていると言えるのだ。

 パニック障害の治療には、薬物療法や心理療法が用いられる他、休養や生活リズムの改善も重要なポイントとなる。ところが、アイドルの場合は、一旦治療して改善しても活動を再開すると、再発のリスクは高くなってしまう。人前に出て注目を浴びる中、もしまた発作が起こったらと考えると、心配は尽きない。しっかり対応できるかどうかという不安だけでなく、「メンバーに負担をかけてしまうのでは」「ファンを心配させてしまうのでは」という考えもプレッシャーになってしまう。そんなことからも、何より周囲の理解が欠かせないパニック障害だが、理解のない人から心ない言葉をかけられ、つらい思いをすることもある。中川家の剛も、パニック障害で悩まされていた頃に「気の持ちようだ」「やめてしまえ」と一蹴された経験をテレビ番組の中で告白している。
 
 では、パニック障害で悩む人や再発のリスクを抱えた人には、いったいどんな職業が向いているのだろうか。

 もちろん、治療に専念することを前提として、まずは規則正しい生活リズムを構築できる、パニック障害について周りの理解を得られる環境があることが重要なポイントとなる。その上で、人に気を遣う場面が少なく、できるだけマイペースに働けて、いつ発作が出ても対処できるような環境が望ましい。こうした条件の下では、営業や接客業は避けた方がよく、例えば在宅での仕事が可能な職種が向いていると言える。ただし、フリーランスの場合は、収入も不安定で生活リズムが崩れやすいなどのリスクがあるため、作業時間などをコントロールする必要がある。また、在宅ワークに限らず、住み慣れた街で規則正しく生活できる安定した環境があれば、比較的安心して働くことができる。あるいは、難病や障害を抱えた人の就労をサポートする「就労移行支援事業」を利用するという方法もある。

文:心理カウンセラー  吉田明日香

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