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ハマり過ぎに注意!「推し活」の心理的影響と依存してしまう人の特徴は

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 20日、第164回芥川賞の受賞が決まった宇佐見りん氏の『推し、燃ゆ』(河出書房新社)。本著は、「推し」の男性アイドルの「推し活」を生きがいとする10代の少女が主人公のフィクション小説で、今大きな話題を呼んでいる。

 「推し」とは、応援するアイドルや著名人、またはそれらの人物を応援することをさし、「推し活」とは、応援する活動全般のことをいう。推し活には依存や現実逃避だといったネガティブなイメージもある中、生活に活力を与えてくれる「心の免疫」だとする肯定的な見方もある。

 推し活に熱心な人は、CDやDVDはもちろん、チケットやグッズの購入に全力を注ぎ、「推しに貢ぐことが幸せ」と語る人も珍しくない。熱心に応援し、どっぷりと感情移入している推しが活躍することによって、まるで自分まで満たされるような感覚を得ているケースも。推しの売り上げや人気の上昇を、まるで自分の功績であるかのようにうれしく感じる人もいる。推し活だけでなく、依存しやすい傾向というのは、自己肯定感が低い人によく見られる特徴の一つでもある。

 自己肯定感が低い人に限らず、人は誰かの役に立つことで自己効力感を高めることができる。自己効力感は、生きていく上で欠かせない「自尊心」を維持する効果があるため、誰かのために何かをすることを嫌う人の方が少ない。

 つまり、推し活は気分を上げ、自己効力感を持つことができ、心の栄養になり娯楽の一つとして日々の活力になり得る。

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 とはいえ、「推しについてもっとよく知りたい」「全てを把握していたい」という思いが強いあまり、推し中心の生活になってしまい、自分のことをおろそかにすると逆効果となる場合がある。そもそも、本当の意味で自己肯定感を高めるためには、自分自身を見つめて特性を見いだしたり、自己成長の実感を持ったりすることが欠かせない。他人に夢中になるあまり、自分が今やらなければいけないことや自分の将来に必要なことから目を背けていると、いずれ自分を否定する原因になってしまう可能性もある。

 推しとの出会いにネガティブな意味を持たせないためにも、推し活は娯楽にとどめておきたいところだ。

文:心理カウンセラー  吉田明日香

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