そんな中、SNSでは新成人に向けて祝福のメッセージを送る芸能人の投稿が多く見られ、それを受けた新成人からは、喜びと感動の声が寄せられた。一方で、祝福のメッセージと共に、自身の過去の成人式の晴れ着姿を投稿した元AKB48の板野友美やタレントの平祐奈などの女性芸能人には、「なぜわざわざ過去の成人式の写真をアップするの?」といった疑問の声や、新成人に対する配慮不足を指摘する声が上がった。
女性芸能人が過去の成人式の写真を公開する理由としては、「容姿を認めてほしい」というだけでなく、「ファンからの要望に応えるため」「話題作り」「恒例のことだから」といったものが考えられる。いずれにしても、若かりし日の晴れ着姿をSNSで披露するという行為は、自分の容姿に自信があるからこそできること。特に、何年経っても衰えない美貌は、芸能人としての価値を誇れるものだ。そして、そんな彼女らのファンにとって、晴れ着姿の写真がこの上なく貴重な画像であることは言うまでもない。
例年ならそれでも問題なかったのだが、今年はコロナ禍で成人式が中止になったところもある。せっかく用意していた晴れ着を着ることができず、式に行けなかった新成人がいたため、傷つけてしまうのではないかという声があったのだ。女性芸能人らは、なぜ新成人に配慮できなかったのだろうか。
>>ロンブー淳、“ドライブイン成人式”に「楽しさを理解してない人たちが考えた愚策」 反論も<<
これについては、「想像力がそこにまで及ばなかった」というのが一番だろう。自分の過去の写真をアップすることで新成人が複雑な思いになるとは考えもしなかったのだ。もしもそれを想定した上で話題性や見てほしい気持ちを優先させ写真をアップしたというなら、思いやりよりも承認欲求を優先させたとしか言いようがないが、これは本人のみが知るところである。また、芸能人という仕事柄、話題作りや注目を集めることがビジネスにつながる。そのため、ファンサービスを優先したという可能性もある。
芸能人が成人の日に新成人へのお祝いメッセージと一緒に自身の過去の成人式の晴れ着姿をSNSにアップするというアクションは、ここ数年の間で恒例になりつつある。しかし、今年はコロナ禍という特殊な状況。残念な思いをした新成人に対して配慮を欠いたことが、思わぬ逆効果を生んでしまったようだ。
文:心理カウンセラー 吉田明日香