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DV男を交際前に見定めるポイントは 俳優・小澤廉の報道にも典型的なパターンが

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 俳優の小澤廉が、以前交際していた女性に対してDV行為をはたらいていたと14日、『文春オンライン』が報じた。元交際女性の親友や親族が語ったDVの内容は、性行為中の暴力をはじめとする激しい暴力行為や暴言、避妊の拒否や中絶の強要などと壮絶だった。2人の交際は女性が16歳の頃から同棲期間も含めて5年以上に及んでいたという。小澤が所属していた事務所が本人に事実確認をしたところ、小澤はおおむね内容を認めたといい、同日、事務所は小澤との契約を解除したと公式サイトで発表した。

 この一連の報道で明かされた小澤の行動には、DV加害者の典型的な傾向が多く見られる。

 まず、DV加害者の典型的な特徴として最もよく挙げられるものに、良い外面と、裏の顔の両方を持つ二面性があるが、小澤についても同様だったようだ。文春によると小澤は、外出先では紳士的な振る舞いをする一方で、自宅に帰ると態度が豹変したという。また、小澤は自身を「ご主人様」、元交際女性を「ペット」として、まるで性奴隷のように扱っていたというが、これも「相手より優位に立ちたがる」というDV加害者の特徴の一つだ。さらに、「暴力を振るう時と優しい時の落差が激しい」というのも典型的なケースで、小澤の場合もDV行為の後に優しい言葉をかけたり、傷ついた体をいたわったりすることがあったという。

 DV行為の代表的な形態には、ビンタや拳で殴るなどの身体的な暴力のほか、威力による精神的支配などの精神的な暴力、性的暴力がある。性的暴力には中絶の強要、避妊に協力しないなども該当する。今回の報道にあった小澤のDVの内容は、これらの代表的なDV行為の形態が凝縮されているものだった。

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 DV加害者の多くは、「自分を怒らせた相手が悪い」あるいは「相手のため」「自分なりの愛情表現」などを理由に、自らのDV行為を正当化する傾向があり、暴力や圧力によって相手を支配できると考えている。こうしたDV加害者には、異常な自己愛の強さや自己肯定感の低さなどが共通している。

 DV被害者にならないためには、DV加害者としての要素を持つ人物となるべく深い仲にならないようにすることが大事だ。DVの傾向がある男性のポイントは存在する。自分より立場が強い人と弱い人への接し方に大きな差があるといった利己的な一面が目立つことや、権威主義的な考え方が強いタイプ、プライドが高い印象が強い人、完璧主義や神経質な傾向が強い人などが特徴として挙げられる。

 DV加害者は生まれながらの気質というわけではなく、生育環境や文化的背景などの影響によるところが大きい。例えば、父親が母親や子どもを暴力で支配していた家庭や、母親から心理的虐待を受けていたなど、立場の弱い人間に対する暴力や心理的支配が当たり前の家庭環境で育った場合、そのシステムが連鎖しやすいことが分かっている。その他、育児放棄などによる愛情不足や道徳的な教育不足、逆に過保護といった家庭環境も原因になり得る。また、性的暴力の内容によっては、女性を虐げるような性的描写がある過激なアダルトビデオや成年漫画などの刺激による影響も無視はできない。

 現在、日本では、DV加害者の更生を目的とした教育プログラムを行っている団体がいくつか存在する。その多くは、DV加害者らが集まってDVについて話し合い学ぶ「自助グループ」や「ワークショップ」といった形をとっていて、加害者自らがDVについて客観的かつ能動的に学ぶことによって、根本的な考え方を変える効果が期待されている。しかし、これらには法的な強制力がなく、あくまでも自発的な取り組みだ。つまり、DV加害者が更生教育プログラムを受けるためには、まずDV加害者が自らのDV行為を悪いことであると自覚する必要がある。最も望ましいのは加害者自らがその異常性に気付くことだが、それが難しい場合、周囲の人の勇気ある提案が必要となる。

 小澤はこの騒動を機に、自らのDV行為がどれほど悪質なものだったか気付くことができるのだろうか。

 いずれにしても、被害者である元交際女性の精神的な傷の深さは計り知れない。

文:心理カウンセラー 吉田明日香

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