加藤の作品は高校生限定の架空のマッチングアプリを通して、男女3人が悩み、傷つきながら成長していく青春群像劇。
報道をまとめると、都内で取材に応じたという加藤は「書店員さんから『1作目は応援できるけど、書き続けないと応援し続けられない』と言われたのが印象的だった。続けることが、僕を受け入れてくれた小説界への恩返しかな」と語ったという。
「加藤は新型コロナウイルスに感染し、14日に活動を再開したばかり。コロナ感染で批判を浴びることになってしまったが、直木賞にノミネートされるのはなかなか難しいこと。長いジャニーズの歴史の中でも、初の直木賞ノミネートとあって話題性は抜群。もし、賞を取れなかったとしても、話題になってさらに売り上げを伸ばすことになりそうだ」(出版業界関係者)
一方、尾崎の作品は文学誌「新潮」の12月号で発表。中編作品で、母子家庭で育ち、学校に友達がおらず、放課後は母親が働く店で過ごしている小学校低学年の女の子を主人公にした物語。
尾崎は「候補になったと知った時、喜びを通り越してなぜか怒りが湧いてきました。今までの悔しさや情けなさの全部が、一気に声になって気がついたら叫んでいました。新型コロナの影響でライブもできない中で、やっと心から大きな声を出せました」とコメントしている。
芸能人では、15年にお笑いコンビ・ピースの又吉直樹が「火花」でお笑いタレントとして初の芥川賞を受賞。とはいえ、今回のように直木賞と芥川賞に芸能人が同時にノミネートされることになったのには、それなりの理由があるようだ。
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「コロナ禍でほかの業界同様、文学界も苦境に立たされている。そんな中、若い人にも文学に興味を持ってもらうためには、名前のある芸能人を出すことの効果は非常に高い。権威のある両賞もほかの文学賞も、今後も芸能人への“依存度”が高まるのでは」(芸能記者)
加藤や尾崎の受賞となれば、各メディアが大々的に報じることになりそうだ。