番組では元中日で野球解説者の川上憲伸氏と前田氏が、開幕が翌日に迫った今季のプロ野球をセ・パそれぞれ展望。セは昨季まで巨人がリーグ2連覇を果たしているが、川上氏は阪神、前田氏は広島が今季優勝すると予想した。
その中で、前田氏は広島の今季を左右するキーマンとして、佐々岡真司監督が抑えでの起用を明言している栗林を挙げる。栗林はオープン戦で「4登板・0勝0敗1セーブ・防御率0.00」と結果を残したが、前田氏は「いいストレートと落ちるボール(を持っている)。クローザーとしての条件はそろっている」、「昨年はクローザーで落としたゲームが多くて(苦しんだが)、佐々岡監督も早い段階で(抑えとして)計算していたんじゃないかと思うぐらいの(投球を見せている)」と、OP戦の時点で抑えとしてふさわしい活躍を見せてくれていると評価した。
一方、前田氏は「(貢献度合いは)連投がどこまでできるのか(にも左右される)」ともコメント。栗林はOP戦では1回も連投起用されていないが、前田氏はどれだけ連投が利くのかも個人、チームの成績を左右するポイントになるとの見方を示している。
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今回の放送を受け、ネット上には「大瀬良(大地)や鈴木(誠也)ではなく栗林を挙げたのは意外」、「抑え不在のチーム事情を考えたら確かに一番大事な選手かもしれない」、「昨季は救援防御率がリーグワースト(4.64)だったから、自分も栗林の活躍次第で順位が大きく変わるって思ってる」、「本人が『何連投になっても抑えられるように』って言ってるニュースもあるし、多少の連投でも頑張ってくれそう」といった反応が多数寄せられている。
「広島は巨人の2連覇以前に3連覇(2016-2018)を達成していますが、この当時は中崎翔太、今村猛といったリリーフを抑えに固定できていました。しかし、2019年から昨季までは両名が不振に陥っており、スコット、塹江敦哉、菊池保則といった新守護神候補たちも定着には至らず。昨季中盤にようやくフランスアが抑えに定着しましたが、そのフランスアは9日に右ひざの手術を受け長期離脱が濃厚となっています。こうした台所事情を考えると、栗林はルーキーの立場でありながら、いきなりチームの命運を左右する非常に重要な役割を担うことになったといえます」(野球ライター)
チームでは2003年の永川勝浩(現広島一軍投手コーチ)以来、18年ぶりにルーキーで開幕守護神を任された栗林。近年広島が苦しんできた抑え事情を解決する救世主になるのだろうか。
文 / 柴田雅人