初回無死一、二塁のチャンスでこの日の第1打席を迎えた佐藤は、右翼方向に転がる適時二塁打を放ち先制点を記録。その後3回表無死の第2打席(中前打)、7回表2死一塁の第4打席(適時二塁打)でもそれぞれヒットを放つと、9回表2死二塁の第5打席ではスコアボードを超える特大2ランをマーク。「5打数4安打3打点・1本塁打」と大活躍を見せチームの勝利に貢献した。
実戦デビューを果たした4日の紅白戦では「3打数無安打・1三振」といいところがなかった佐藤。しかし、その後18日までに出場した5試合では全て安打を記録し、通算成績は「.500・2本・6打点・11安打」と絶好調。対外試合3試合に限れば、「.643・2本・6打点・9安打」と6割超えの打率となっている。
同戦を含めた佐藤の活躍を受け、ネット上には「試合の度に打ってて驚きしかない」、「割と真面目に今の阪神で一番期待できる打者かもしれない」、「対外試合で打ちまくってるのは凄く評価できる」、「内外野どっちを守るかはまだ決まってないらしいけど、このままいけば開幕スタメンも十分にあるぞ」といった称賛や期待の声が多数寄せられている。
一方、「打たないよりは打った方がいいのは確かだけど、打率6割超えは逆に信用できない」、「対外試合の好成績は撒き餌をまかれてるだけなんじゃないか?」、「あんまり打ってると分析速度が早まって、結果シーズンではさっぱりって危険もあるしなあ…」と、ここまでの活躍を手放しで喜んでいないようなコメントも散見された。
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「開幕前の練習試合・オープン戦には各選手の最終調整だけでなく、シーズンに向け“わざと打たせて得意・不得意コースを洗い出す”など敵軍打者の研究・分析が行われる側面もあります。そのため、練習試合・OP戦では好成績だった打者が、シーズンでは一転して今一つに終わるケースは少なくありません。実際、昨季もOP戦ではセ・パ合わせて13名が規定3割以上をマークしましたが、このうちシーズンで規定3割をクリアしたのは0名で、規定打席に到達したのも6名だけ。佐藤の活躍に懐疑的なファンは、こうした点を元に不安を募らせているのかもしれません」(野球ライター)
実戦で結果を残し続ける裏で、一部ファンから不安視されている佐藤。現在の好調ぶりを開幕まで、そして開幕後も維持することはできるのだろうか。
文 / 柴田雅人