西武(2002-2010)、ソフトバンク(2011-2016)、楽天(2017-2018)、ロッテ(2019-)で19年間にわたりプレーした細川は、今シーズン限りで現役を引退することを9日にロッテが発表。今回の動画では引退を決意した経緯や現役時代の思い出話などをテーマにトークしたが、その中で西武時代、死球をきっかけにロッテの助っ人・ベニーに投げられ左肩を脱臼した2008年9月4日西武対ロッテの裏話を語った。
同戦では4回に西武投手陣が里崎智也、ズレータ、ベニーの3名に立て続けに死球をぶつけたが、3人目のベニーがぶつけられた直後に激昂。捕手の細川はマウンドに向かおうとするベニーを制止しようとしたが、逆に首投げのような形でベニーに投げられ左肩を脱臼し、次戦以降の3試合の欠場を余儀なくされている。
>>とばっちりで肩脱臼、バットをわざとぶつけられたことも!引退のロッテ・細川が味わった衝撃の珍ハプニング<<
このアクシデントについて、細川は「(直前まで2人に死球を与えたが)関係なく内角のシュートを要求して、ベニーの背中にモロに当たった」と発言。里崎、ズレータに死球を与えたことはお構いなしでマウンド上の許銘傑にインコースを厳しく要求した結果、すっぽ抜けたシュートがベニーの背中に思い切り当たってしまったという。
直前に死球をぶつけられたズレータがマウンド上をにらみつけるなど既に一触即発の雰囲気となっていたが、その険悪な空気をあまり深く捉えていなかったという細川。実際にぶつけてしまい、すぐに「ソーリー!ソーリー!」とベニーに謝罪したというが、激怒したベニーは全く聞く耳を持たないまま、自身につかみかかりそのまま投げ飛ばしてきたという。
細川が投げられた直後、両軍選手がその場に殺到しベニーと細川を引き離したが、細川曰く怒り狂ったベニーは「ものすごい力だった」とのこと。また、当時の同僚である中島宏之(現巨人)からも、後に「自分や渡辺(久信)監督とか3人ぐらいでベニーを引っ張っても全然動かなくて、5人ぐらいでやっと動いた」と制止に手を焼いたことを聞かされたと語っていた。
細川はこの他にも自身が引退すると聞き連絡してきた現役選手の言葉や、西武・松坂大輔の球を受けている時に起こったハプニングなどについて動画内で語っている。
今回の動画を受け、ネット上には「2人目に当てた時点で異様な雰囲気だったのになおも内角攻めるのは度胸あるな」、「それまで仲間が2人ぶつけられてるから、ベニーとしても『これ以上舐められるわけにはいかない』って気持ちだったのかもしれないな」、「100キロくらい体重ある細川を軽々と投げ伏せたのは当時衝撃だったが、グラウンドに居た選手も同じ気持ちだったのか」、「5人分に匹敵する力ってヤバいな、脱臼だけで済んだのは逆に幸運だったのかもしれない」といった反応が多数寄せられている。
今回名前が登場したベニーは2004年から2009年にかけてロッテでプレーした助っ人で、細川とは在籍期間中に何度も対戦している選手。同戦での首投げにより「制裁金5万円+厳重注意」という処分が科せられたが、試合後にベニーが細川に謝罪し当人同士は和解している。ただ、現在も親交があるとは特に伝えられてはいない。
細川を代表するエピソードの一つとして、今もファンの語り草になっている“ベニー首投げ事件”。今回本人が明かした裏話に驚いたファンも多かったようだ。
文 / 柴田雅人
記事内の引用について
大久保博元氏の公式ユーチューブチャンネルより
https://www.youtube.com/channel/UCKa1VlSq1WwdSQWv4JFdgxg