同戦のチェンは2回表にデスパイネ、4回表に栗原陵矢にそれぞれソロを浴びたものの、それ以外に失点はなく「6回96球2失点」で降板。クオリティ・スタート(QS/6回以上を投げ自責点3以下)をクリアする投球内容で試合を作った。
しかし、味方打線はソフトバンク先発・千賀滉大に「8回103球無失点」と抑えられると、9回に出てきた守護神・森唯斗も攻略できず。そのため、チェンは好投を見せたにもかかわらず敗戦投手になる結果となった。
これまで中日(2004-2011)、オリオールズ(2012-2015)、マーリンズ(2016-2019)、マリナーズ(2020/マイナー)でプレーした35歳のチェンは、今年9月21日にロッテと契約し9年ぶりにNPBに復帰。復帰後初登板の10月14日対楽天戦から今回の試合まで4試合に登板し、防御率は「2.42」と投球自体は安定しているが、4試合での援護点がわずか2点(登板イニングに限れば1点)と援護に恵まれず「0勝3敗」と黒星が大きく先行している。
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この日も好投が実らなかったチェンについて、ネット上には「今日も全然悪くなかったのに負けがつくのはさすがに可哀想」、「防御率考えたら勝敗が逆でもおかしくないのに」、「何でそこまで点がもらえないんだろうか、チェンの投球にも原因があるのか?」といった同情の声が多数寄せられている。
「球界では一般的に“球数がかさむ”、“先に点を与える”ような投球をすると、野手の攻撃リズムに悪影響が及び援護点がもらいにくくなると言われています。チェンがここまで登板した4試合を見ると、4試合中3試合は6回90球前後、残りの1試合は8回101球と球数はそこまでかさんではいません。ただ、4試合中3試合で先制点を許しているため、このあたりが無援護の原因となっている可能性もあるでしょう。ただ、ロッテはチェンが初登板した10月14日から今回の11月4日までの期間のチーム打率が『.198』と2割を切っているため、単純に打線が湿っているからという理由の方が大きいとは思いますが…」(野球ライター)
試合後、井口資仁監督も「ホームランは打たれたが、試合はつくってくれた。ずっと打線が援護できていない」と嘆いたチェンの敗戦。チェンは先発ローテの間隔を考えるともう登板試合がないため、最終戦となる9日の日本ハム戦に中4日で緊急登板するようなことがない限り、NPB復帰後初白星は来シーズン以降に持ち越されることが濃厚となっている。
文 / 柴田雅人