問題となっているのは、「3-2」とロッテ1点リードの9回裏1死二、三塁の場面で飛び出たプレー。打席のソフトバンク・松田宣浩に対しロッテ3番手・益田直也はカウント「1-0」からワンバウンドのシンカーを投じたが、これを田村が三塁ベンチ方向に大きく後逸(記録は益田の暴投)。逸らした打球を処理する間に二者の生還を許し、チームは史上初の「逆転サヨナラ2ラン暴投」で敗戦を喫する結果となった。
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同日放送の『プロ野球ニュース 2020』(フジテレビONE)では、元中日・立浪和義氏、元楽天監督・田尾安志氏ら球界OBが田村のプレーについてコメントしている。番組に生出演した立浪氏は、「(捕り損ねた球が)バウンドしてアンツーカーで変な方向に跳ねることはあるが、(今回の球は捕手)正面のワンバウンドですからね」とコメント。ワンバウンドの球が思わぬ方向に跳ねることはあるとしつつも、今回は捕手の正面に跳ねたため止めなければいけなかったと指摘した。
番組に電話で生出演した田尾氏は、立浪氏の後に話を振られ「1人目のランナーは仕方ないにしても、2人目のランナーまでホームに(帰って)来られたのは(痛い)」、「どっちにバウントしたか(分からなかったのでは)。(田村は)逆の方見たでしょ」と発言。田村は後逸の直後に逸れた球とは逆の一塁ベンチの方向を向いているが、田尾氏は球が転がった方向をしっかり判断していれば二塁ランナーの生還は防げていたのではと推測した。
同戦の田村については、「ストライクゾーンから大きく外れた球では無いから正捕手なら止めてほしかった」、「初動の判断ミスして、その後の返球も本塁上から逸らしてるから擁護しようがない」、「あの球を止められないようでは厳しい、もう今後は別の捕手を優先して起用した方がいいのでは」といったミスへの苦言や批判が多数寄せられている。
一方、「簡単にピンチを招いた益田も悪い」、「ミスが致命傷になる状況を作った益田にも責任があるだろ」、「その前の打たれようを考えると、田村が逸らしてなくてもサヨナラ負けは避けられなかったと思う」と、投手の益田を責めるコメントも複数見受けられた。
「今回の場面でマウンドに上がっていた益田は、今シーズンリーグ2位タイの29セーブをマークしているチームの守護神。しかし、ここ2試合は連続で失点を喫し敗戦投手になるなど不調で、同戦も先頭の柳田悠岐に二塁打、続くグラシアルに四球とまたたく間にピンチを招きました。結果自身の球を田村が逸らしサヨナラ負けを喫する形となりましたが、益田が相手に付け入る隙を見せなければこのような展開にはならなかったと不満を抱いているファンも少なくないようです」(野球ライター)
試合後、井口監督も「最後はああいう形でミスですからね。しっかりとやらないと勝てない」と嘆いた今回のサヨナラ劇。益田が本調子ならば、このような事態が起こることはなかったのかもしれない。
文 / 柴田雅人