今回の動画で谷沢氏は、自身が現役時代に影響を受けた打者を3人ピックアップし、それぞれの選手についてトーク。その中の1人に王氏を挙げ、現役時代にあったという知られざるやりとりを語った。
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動画内で具体的な時期は明かされていないが、ある日の巨人戦でヒットを打ち一塁に出塁したという谷沢氏。その後に後続の打者が打席に入るまで少し間があったというが、この際に一塁手の王氏が「谷沢は今(通算安打)何本打ってんだ?」と聞いてきたという。
王氏の質問を受け、谷沢氏は「1200本くらい打ってます」と回答。すると、王氏は「そっか、2000本めざさないとダメだな」、「谷沢、俺はホームラン1000本めざしてるんだ。お前も目標を高くして、2000本めざしていかなくちゃいけないな」と、お互いに目標を高く持ってプレーしようと激励されたという。
その後、アキレス腱を故障し2年間シーズンを棒に振った時期があったという谷沢氏。しかし、この間も「目標値を高く!」という王氏の言葉は常に記憶に残っており、それを励みに復帰を果たすことができたという。
こちらも具体的な時期や状況は明かされていないが、復帰後に王氏と会話する機会があったという谷沢氏。この時、王氏は「アキレス腱を痛めてから復活して、ホームランもすごく増えたな。全然怪我をする前と違う(いい打撃)じゃないか」と谷沢氏の復活を喜んだ上で、「巨人に来ないか?」と冗談交じりにスカウトしてきたと明かしていた。
谷沢氏はこの他にも、自身が影響を受けた他2名の打者や自身が感じていたという王氏の好不調のバロメーターなどについて動画内で語っている。
今回の動画を受け、ネット上には「後の名球会打者同士でそんなやりとりをしてたのか、特に親交あるイメージないから意外だな」、「谷沢さんと王さんは同じ早稲田系列の出身(早稲田大/王氏は早稲田実業高)だから、それなりにお互い意識してたのかな」、「ライバルの復帰を喜んでさらにスカウトなんて王さんは器が広いな」、「冗談だとしても『ウチに来ないか』っていうのは実力を認めてる証だよね」といった反応が多数寄せられている。
現役時代に中日(1970-1986)一筋でプレーした73歳の谷沢氏と、巨人(1959-1980)で現役を全うした80歳の王氏。両者は1970年から1980年にかけてセ・リーグでしのぎを削っている。
現役時代の谷沢氏と王氏は打撃では首位打者、守備でも一塁手部門のベストナイン、ダイヤモンドグラブ(現ゴールデングラブ)を争った間柄。目下のライバルである谷沢氏を敵味方関係なく激励・称賛した王氏の姿勢に驚いたファンも多かったようだ。
文 / 柴田雅人
記事内の引用について
谷沢健一氏の公式ユーチューブチャンネルより
https://www.youtube.com/channel/UCG0yPgq2fPN8s1uHakMVrMQ