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巨人・パーラ来日初の登録抹消 元メジャー助っ人不在が及ぼすチームへの影響は?

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 異変の「予兆」は突然だった。
 8月13日の巨人対ヤクルト戦の6回表。イニング途中でのライトの守備交代が行われ、巨人のジェラルド・パーラがベンチに下がる。先頭打者出塁後とは言え、連日にわたり好守で高いパフォーマンスを見せていたパーラの交代劇には小さくない違和感を覚えた。

 また、その翌々日には2度、打席に立った後に交代を告げられている。誰もが「緊急事態」を想像する中、ゲーム終了後、右膝違和感により登録抹消が伝えられる。来日初となる、パーラの戦線離脱が決定的となった。

 シーズン序盤より打順は7番に据えられ、クリーンアップの後ろで前評判通りの実力を発揮する。「元メジャー」の実績は充分、それでも打線下位に位置することを受け入れ、走・攻・守と何れも真摯に取り組む姿は、早くから野球ファンの心をつかんでいる。また、打席での佇まいは独特の雰囲気を放ち、巨人打線にこの上ない厚みを加え、相手投手に対しても右・左とも同様のアベレージ(対右.289 対左.290)を残すなど、シュアな打撃で日本野球に高い適応力を見せていた。

 さらに、お馴染みの「シャークダンス」は、来日時より日本でも大きな話題となり、有観客となって以降、五千人上限ながらも、そのパフォーマンスでスタジアムの空気を一変させる存在となった。
 今月12日のヤクルト戦。原監督は今季初めてパーラを2番打者に指名する。夏場での戦いの中、坂本勇人、丸佳浩といった主軸から快音が聞かれなくなり、得点力に陰りが見えたと感じた指揮官は、攻撃的打線を組む上で最も重要とされる打順を助っ人に託した。ゲームでは本塁打を含む3安打で5試合ぶりとなる勝利に貢献、打線の中での自身への役割を理解し、期待通りの結果を残した。
 だが、抹消前最後の出場となった15日の中日戦に敗れると、パーラの名前がスタメンから消えた直後の2試合では、何れもチームは2安打に抑えられた。巨人打線が再び「貧打」の様相を呈したことは、決して偶然ではないだろう。

 現在、巨人は首位を快走するとは言え、ペナント連覇を、さらには「頂点」を狙う原・ジャイアンツにとって、パーラの離脱は大きな痛手であることは間違いない。昨年、海の向こうでワールドチャンピオンに登り詰めた助っ人の不在が長引くとするならば、この先、プレーのみならず精神面においても、その傷口はさらに大きくなっていくような気がしてならない。(佐藤文孝)

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