問題となったのは、「1-2」と巨人1点ビハインドの8回裏に飛び出たプレー。この回、巨人は先頭のウィーラーがヒットを放ったことを受け増田を代走として投入。後続のパーラもヒットを打つなど1死一、三塁のチャンスを作った。
この場面で打席には代打・陽岱鋼が入ったが、巨人ベンチは2球目で重盗を仕掛け同点を狙った。ところが、一塁ランナーのパーラが一、二塁間に挟まれながら時間を稼いでいたにもかかわらず、三塁ランナーの増田は遊撃・倉本寿彦に本塁で刺されてアウトになってしまう。このミスが響き巨人はこの回無得点に終わり、そのまま試合にも敗れてしまった。
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同日に放送された『プロ野球ニュース 2020』(フジテレビONE)では、出演した元大洋・横浜の高木豊氏や元中日監督・谷繫元信氏ら球界OBが増田の走塁死にコメントしている。番組内で高木氏は「(一塁の)ロペスが(一塁ランナーを追いかけて)走り出した時に(増田も)走らないと。倉本が捕ってからじゃダメ」と、増田のスタートが遅かったと苦言。谷繁氏も「ロペスが二塁へ少し(一塁ランナーを)追いかけたところでスタートですよね、(本塁に)行くんであれば」と同調している。
今回のプレーを受けて、ネット上にも「代走で出てきてるのに走塁ミスでチャンス潰すのはいただけない」、「捕手の嶺井(博希)が投手じゃなく二塁に投げたからシメたと思ったのに、増田のミスで逆に助けてしまった」、「本塁突入への意識が強すぎて周りが見えてなかったのかな、もう少しロペスの動きにも目を配ってほしかった」といった反応が多数寄せられている。
一方、「増田が悪いのはもちろんだが、勝負どころで奇策に走った原(辰徳)監督の采配ミスでもある」、「犠牲フライでも同点なんだから、シンプルに陽に打たせるべきだったのでは?」といった、巨人・原監督の采配ミスだとするコメントも複数見受けられた。
試合後の報道では、原監督が「選手を少し焦らせたかなというのはある」と反省を口にしたことも伝えられている今回の重盗。そのまま陽を打たせていれば、もしかしたら試合の結果は違ったものになっていたのかもしれない。
文 / 柴田雅人