本作は『逃げるは恥だが役に立つ』『アンナチュラル』(共にTBS系)で脚本を務めた野木亜紀子氏によるオリジナル作品だ。24時間というタイムリミットの中で犯人逮捕を目指す「警視庁刑事部・第4機動捜査隊」に招集された頭脳派隊員の志摩一未(星野源)と、運動神経はよいが自分が思うままに行動する隊員・伊吹藍(綾野剛)がバディを組み、数々の難事件に挑むストーリーになっている。
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※以下、ネタバレを含む
第5話では、低賃金で労働する外国人の元技能実習生によるコンビニ強盗事件が多発し、志摩と伊吹が犯人逮捕へと乗り出す。犯人は複数人おり、その中の犯人が別店舗のコンビニに押し入った後に逃走したことから、そのコンビニでアルバイトをする留学生のマイ(フォンチー)に共犯の容疑がかけられる。捜査を進めていくうちに、志摩たちはマイが通う日本語学校の事務員・水森(渡辺大知)が、SNSで一連の強盗事件の手引きをしていることに気付く。しかし、水森は単独犯で、ほかに逮捕された外国人の元技能実習生に犯罪の手引きをしているわけではなく、マイも共犯者ではなかったことが判明。その後水森は再び強盗に押し入り、取り押さえられたのだった。
外国人労働者が弁当補助をはじめとする福利厚生のない状態で、低賃金で働かされている姿を描いたことに関して、視聴者からは「本当に外国人労働者の環境は最悪だよ。昔働いていた会社は、外国人を最低賃金以下で働かせて使い捨てしてた」「安く“便利”を手に入れるために外国人労働者を搾取する国って…。色々考えさせられた回だった」「さすがMIUだわ。こういう深いテーマ扱うのさすが」という声が集まっている。
一方で、「確かに大きな社会問題だけど、日本が一方的にすごい悪者に描かれてるのが気になった」「安易にベトナム人とかネパール人とかを強盗犯役にしないでほしかった…。また偏見が生まれちゃう」「最近は監査も厳しいし、少なくともうちの会社はこんなひどくない。誇張表現もどうかと思う」といった非難の声も寄せられている。
「これまで本作は虐待や手取り14万円の低所得者による事件など、身近な社会問題を描き、視聴者から評価されていました。しかし、今回はこれまでのエピソードとは違い、批判も多い印象です。その理由は、“感情移入できる演出がなかった”からと言えるでしょう」
「視聴者の中には、『水森は前に違法な監理団体で働いていて、外国人たちを搾取していたことに罪悪感を抱いていたのは分かる。でもそれがどうしてコンビニ強盗とつながるの?』『マイが典型的な“カタコト外国人”だからなのか、全然リアルな人間らしさが感じられなくて、同情できない』『水森が最後に“外国人は日本に来るな”って叫んで終わったけど…結局何が伝えたかったの?』という疑問、不満の声が挙がっています。登場人物の描写が薄く、なおかつ“外国人労働者の厳しい現状”という本題との関連性が薄かったことが、批判が集まった要因でしょう」(ドラマライター)
次回の第6話は、志摩の過去が明らかになるストーリーだ。果たして今後、どのような社会問題が取り扱われるのだろうか。これからの展開や、社会問題に関する描写に注目していきたい。