男は17日午後6時40分頃、車両の通行が禁止となっている錦帯橋にバイクで侵入。橋に使用されている木の板322枚にタイヤの痕をつけた。警察は防犯カメラの映像から、岩国市内に住む建設作業員の男(40)を割り出し、行方を追っていたが、20日に男が出頭し、文化財保護法違反の疑いで逮捕された。
取り調べに対し、男は「錦帯橋をバイクで走ったことは申し訳ない」「傷つけて申し訳ないことをした」などと話し、容疑を認めている。錦帯橋は1673年に岩国藩主吉川広嘉によって建造されたもの(注・その後何度か架け替え)で、扇子の開いた姿をかたどったと言われるアーチ状の形が特徴。その美しさは葛飾北斎や歌川広重が浮世絵にしたほどである。現状、修復の予定は立っていないが、必要となる費用は莫大で、数億円規模になるのではという見方もあるほどだ。
山口はもちろん、日本が世界に誇る錦帯橋にバイクで侵入しタイヤの痕をつけるという事件に、「許せない。日本人だとは思えない悪行」「地元の人間が、地元の誇りを傷つけるなんて…。ショック」「岩国の恥。岩国に岩国市内に住み続けられると思うなよ」と怒りの声が上がる。
また、「40にもなって何やっているのか」「バイクで走って何が楽しいのか。楽しいと思ったのだとしたら、相当幼稚な人物と言わざるを得ない」という指摘や、「管理体制が甘かったのではないか」「なぜバイクで入ることが出来たのか性善説に立ちすぎている」と、管理者の責任を問う声もあった。
日本の歴史と文化に傷をつける行為。地元の怒りは、相当なものがある。