『ノーサイド・ゲーム特別編』は2019年7月から9月に放送された大泉洋主演のドラマ『ノーサイド・ゲーム』(同)に新たな演出を加えたもので、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により4月から放送されている。
『特別編』では主演の大泉による新規ナレーションやカットされたシーンなどを追加。既に視聴済みのファンも楽しめる構成になっていた。
そんな『特別編』で物議を醸したのは、5月24日に放送された最終夜でのある演出だ。リーグ優勝をかけた試合が行われ、ドラマはいよいよクライマックス。登場人物たちのその後が描かれたのだが、その際、本放送時には流れなかったある楽曲が流れた。
それは、松任谷由実の歌う『ノーサイド』(1984年)。同曲に合わせてクライマックスへ流れ込んでいくという演出だった。
松任谷の『ノーサイド』はラグビーの試合終了直後の情景を歌ったスローナンバーで2019年にはラグビーワールドカップへの注目から、改めて人気になった曲だ。
それだけにネット上には「本放送にはなかったノーサイドが流れてよかった」「涙腺崩壊しそう」「懐かしい」といった声が相次いだ。
しかしながら、ラグビーファンや同曲のファン以外にはあまりピンとこない楽曲だったようで、ネットでは「なぜ突然ユーミン?」「スローナンバーすぎて世界観にあってない」「雰囲気が壊れる」といった声もあった。
確かに松任谷由実の歌う『ノーサイド』は36年前の曲。20~30代の視聴者にはあまりなじみがない曲でもあり、その意図があまり伝わらなかったようだ。
なお、『ノーサイド・ゲーム』の公式Twitterによると、松任谷由実の『ノーサイド』はどこかのタイミングで挿入歌として使用したかったものの「結局ハマるところが少なく出すことができなかった」という裏話が公開された。「今回の特別版でのみで実現」したということで、スタッフサイドも「合わない」ことは承知の上だったのかもしれない。
ファンサービスを取るか、雰囲気を取るのかは難しいところだ。