嵐は2020年末に活動休止を発表しており、紅白総合司会はその前の「最後の仕事」としてかねてより予想が挙がっていた。コロナの影響でオリンピックが延期となり、彼らの休止時期が後ろ倒しになる報道も一部では出てきている。事態は流動的ながら、なお本命候補には挙げられると言えるだろう。
そんな嵐の最大の対抗馬として噂されてきたのがナインティナインの岡村隆史だった。大河ドラマ『麒麟がくる』、バラエティ番組『チコちゃんに叱られる!』など、NHKへ貢献しているお笑い芸人のため、水面下でオファーが出ていると言われてきた。だが、4月23日深夜放送の『ナインティナイン岡村隆史のオールナイトニッポン』(ニッポン放送系)で女性蔑視発言が問題となり、紅白司会の可能性はほぼ消滅したと言える。
そこで気になるのが岡村の代わりに白羽の矢が立つお笑い芸人であろう。やはり、本命として挙がりそうなのは、ウッチャンナンチャンの内村光良だ。しかし、もともと岡村の紅白司会報道が出始めたのは、3年連続で総合司会を務めてきた内村からの世代交代を前提とするものであった。そのため岡村ラインが消滅したからといって、即座に内村とはならず、ほかの芸人のキャスティングも模索されそうだ。
そこで、 NHK的なコンプライアンスに引っかからず、内村、岡村クラスの知名度がある芸人として浮上するのがサンドウィッチマンだ。昨年度の紅白には審査員として登場しており、2018年にはバナナマンに代わって紅白裏トークに登場するなど番組との関係は深い。
今年度は2011年に起こった東日本大震災から10年目にあたる。被災地となった宮城県出身のタレントとしてサンドは、自ら基金を立ち上げるなどこれまで震災復興へ尽力してきた。NHKでも震災復興をテーマとする番組『東北発☆未来塾』(NHK Eテレ)の司会を長らく務め、この番組は『明日へつなげよう 未来塾』と名を変え、現在も不定期に続いている。
このほか、サンドが病院を訪れ、そこに限定ラジオ局を開設する設定で、患者や家族の話を訊くドキュメンタリー『病院ラジオ』も不定期に放送されている。この番組は優れた番組に贈られる2018年ギャラクシー賞入選作品となった。2015年からはNHKラジオ第1放送で『サンドウィッチマンの天使のつくり笑い』のレギュラーも務めており、地味ながらも広くNHKへ貢献している芸人と言える。
知名度、好感度ともに申し分ない彼らが、紅白司会を務め笑いをふりまくシナリオは十分考えられそうだ。