しかし、そんなテレビ業界で気を吐いているのが、日本テレビだ。総集編やスタジオで三密を避けながら収録をする他の局と比べて、工夫を凝らし、視聴者に飽きさせない演出をほどこしている。先日放送された『しゃべくり007』2時間SPは、収録が出来ず、総集編に追い込まれたものの、『Going!Sports&News』で生放送出演のため、同局を訪れていたくりぃむしちゅー・上田晋也を起用。スタジオには、スタッフ一人と上田のみで、総集編の前フリを撮影した。さらに、自宅にいるメンバー一人ひとりに電話をつなぎ、番組ファンを喜ばせた。『世界の果てまでイッテQ!』も同じく、MCのウッチャンナンチャン・内村光良のみをスタジオに。こちらは全員と電話をつなぎ、トークで盛り上げた。
「若手芸人が続々と登場する『有吉の壁』は、MCの有吉弘行らはスタジオにいるものの、彼を笑わせる芸人は、自宅や会議室などから中継出演。番組のコンセプトを壊さず、放送を乗り切りました。また、『ゴチになります』が人気コーナーの『ぐるナイ』2時間SP(30日放送)は、史上初のオンライン。各自宅などから中継を結び、デリバリーグルメで勝負を行います」(テレビ誌ライター)
今の時期、収録には制約が掛かってしまう。しかし、その中でも“企画力”で突破している同局。ネットからも「状況に合わせた判断と言うか工夫が凄いな」「リモートの演出の仕方上手いのかもしんない」といった声がある。視聴率が下がっているテレビ業界の中で、唯一「日本テレビが調子いい」と言われるのは、こういう視点があるからなのかもしれない。