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【放送事故伝説】「死人が出たかと思った」全員集合で大事故

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志村けんさん

 3月29日、ザ・ドリフターズのメンバーでタレントの志村けんさんが、新型コロナウイルスによる肺炎のため亡くなった。70歳だった。
 1974年のドリフターズ加入以来、40年以上にわたりお笑い界のトップを走った志村さんの突然の死去に日本中が驚きと深い悲しみに包まれた。

 さて、志村さんが所属していたザ・ドリフターズの代表作と言えば『8時だョ!全員集合』(TBS系)であるが、1969~1985年の16年にわたって放送されていたことや、生放送という特性もあり、放送事故の宝庫となっている。

 その中でも特に志村さんが大活躍した放送事故をご紹介したい。
 事件は1983年6月4日、前半コントの「民宿コント」にて発生した。お爺さん役の加藤茶とお婆さん役の志村さんが主役のコントで、お婆さんは高齢ゆえに体の自由が利かず失敗を繰り返していた。問題のシーンはコントの中盤。婆さんは用を足そうとトイレに入り、爺さんはトイレの隣にある立て付けの悪いフスマを勢いよく開けた。すると、その衝撃で婆さんがトイレの壁を突き破って出てくる……というギミックだったのだが、どうもトイレそのものの設置が甘かったのか、外へ飛び出た志村さんの頭上に覆いかぶさるようにトイレのセットが崩壊。志村さんに直撃するというハプニングが発生した。

 なんとかセットから脱出した志村さんだったが、頭と腰を強打したのか、舞台を走り回り「あれまで落ちる予定じゃなかったでしょ!」と叫び、へなへなと倒れ込み、加藤も「番組始まって以来、初めて死人が出たかと思った」と笑いながらその場を収めたことがあった。
 このセット崩壊は完全に想定外の出来事だったが、志村さんのリアクション、加藤のフォローがあまりに見事だったため本当の事故だと気付かなかった視聴者も少なくなかったようで、今や『全員集合』を代表するようなハプニングとなっている。

 最後になったが、稀代のスーパースター志村さんのご冥福を心よりお祈りしたい。
文:穂積昭雪(山口敏太郎事務所)

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