そうなると、被害を受けた側は恨みを持ってしまう。中には、「引越し後に仕返しをしたい」と思う人もいるだろう。そんな事案が、2018年8月に発生している。
舞台となったのは千葉県館山市。74歳の無職男性宅の外壁や車のボンネットが赤いペンキで汚される事件が発生。警察が捜査に乗り出し、犯人として器物損壊などの疑いで逮捕されたのが、千葉県鴨川市に住む70歳の無職の女だった。女は一斗缶に入った赤色のペンキを「おたま」ですくい、男性が所有する家の外壁や自動車にかけて回っていたのだ。その被害額は、約132万円にも及ぶ。
なぜこのような犯行に出たのか。女の供述によると、以前、被害男性の近隣で暮らしており、この夫婦に嫌がらせを受けていたのだそう。そして逮捕時、女は容疑を認め、「間違いありません。7年間の仇を取りました」と話したのだという。
事件発覚時、女に行動については「酷い」「常軌を逸している」など、非難の声が相次ぐが、その一方で「嫌がらせが事実だとすれば気持ちはわかる」「行動は良くないけれど、供述が事実なら気持ちはわかる」「自分も嫌がらせと思えることをされれば、復讐したいと思うかも」「女の行動はもってのほかだけど、男性夫婦も嫌がらせをしていたのなら因果応報では」と同情的な声も見られた。
被害男性夫婦が本当に「嫌がらせ」をしていたのか否かは、現在も不明。虚言の可能性もあるため一概には言えないが、仮に事実だとすれば酌量の余地はあるだろう。しかし、ペンキを不特定多数に掛けることは犯罪。適切でない行動であることは明らかだ。