林は「日本は義務教育でお金の授業をすべき」と切り出した。アメリカの有力格付け会社スタンダード・アンド・プアーズが各国の16歳以上を対象に実施した調査で、金融知識に関する4つの問題に3つ以上答えられた人の割合が日本は43%にとどまり、カナダ(68%)、ドイツ(67%)など、他の先進国と比べて低い結果だったと説明する。
続けて「欧米ではリーマンショック以降、多くの国でお金に関する教育が義務化されている。イギリスでは、小学校から高校までの全学年で金融教育がカリキュラム化されている」と他国の教育体制を紹介。日本でもお金に関する教育を早急に進めるべきだと説いた。
子供のために親が今からでもできるお金の教育について、林は「お年玉でスマホゲームに課金させるべき」と提案。「子供は課金が無駄遣いかどうか分からない。使ってしまってお金がないという喪失感や『あのお金を節約しておけば(ほしいものが)買えたよな…』、そういう思いを幼い頃に経験することに意味がある」と、あえて無駄遣いを経験させることでお金の大切さを学ばせることが重要だと語った。
ネット上では「林先生がいいこと言った」「金融教育をやらないと社会に出て困ることが多い」「他国で教えてることを教えてないのが日本」と称賛する声が多く寄せられている。
電子マネーや通販サイトの利便性が向上したことで、お金に関する「新たなリスク」ができた。横浜国立大学教育学部付属横浜中学校では、日銀や金融経済団体などで構成する金融広報中央委員会が作成した教材を家庭科の授業で使用。生活するのにかかる費用や、ネット通販を利用する際に起こりうるトラブルなど、「お金に関する知識」を幅広く生徒に伝えている。
今後、キャッシュレス化が進み、現金を使って買い物をする機会は減少していく。お金に対する実感は薄れていき、お金に関する新たなトラブルが増えていくだろう。
国はそろそろ危機感を持って、子供の金融教育に取り組む必要がある。