2日に更新した自身のツイッターで、諦めにも似た心境を吐露したのは里崎智也氏(元ロッテ)。「サインをお断りしたら、かなり強い口調でサインと言われながら右腕上腕を強く鷲掴みされ引っ張られた」と、一部の人間から迷惑行為を受けた旨を綴っていた。
転売を目的とした“サイン乞食”たちによる、迷惑行為が後をたたない球界周辺。最近でも松坂大輔(中日)、宮崎敏郎(DeNA)、中村紀洋氏(元近鉄他)といった選手・OBが狙われ、松坂に関しては“実害”まで受けてしまった。
こうした連中の“生息地域”は、球界のみならずどんどん拡大している。前述の里崎氏は「松坂の一件もあったし、今年はラグビーW杯、来年には東京オリンピックパラリンピックが日本で行われる。世界のスーパーアスリートに同じような事があることは許されない」と将来を危惧する投稿もしているが、それが現実のものとなる可能性は、残念ながら高いと言わざるを得ない。
これらの問題に対しては、恐らく大部分の人が「一刻も早く止めて欲しい」と思っていることだろう。もちろん、筆者も同じ気持ちだが、その一方で最近は「もう行くところまで行ってしまえ」という思いも芽生えつつある。
松坂や里崎氏の一件を見ても分かる通り、最近の“サイン乞食”は過激の一途を辿っている。このまま放っておけば、近い将来誰かがこれ以上の重大事態に巻き込まれることは想像に難くない。場合によっては警察が関与したり、裁判沙汰になったりすることにもなるだろう。
ただ、“被害者”となる方には申し訳ないが、ここまで事態が深刻化しないと恐らく現状は変わらない。既にご存知の方がほとんどだろうが、私たちが住む日本という国は誰かが重大な被害損失を被ったり、“見せしめ”として吊るし上げられたりしないと物事が動かない国なのだ。
何度も問題視されているのに、迷惑行為を改めない“サイン乞食”たち。そもそも、こんな連中がいなければ、日本が無駄に動く必要もないのだが…
記事内の引用について
里崎智也の公式twitterより
https://twitter.com/satozakitomoya
文 / 柴田雅人