その理由は、病欠する機長が要員計画上の想定を超えて発生し、予定した新規の機長の確保が当初見通しを下回ったためという、なんとも情けないもの。
すでに、5月19日から6月30日の間の448便の欠航が決定。7月以降については、4月末に判断するが、機長の確保ができなかった場合は2000便を超える大量欠航が発生する。
欠航が決まったのは、関空と札幌、仙台、松山、福岡、鹿児島、那覇、ソウル、香港を結ぶ路線で、乗客約1万6000人に影響する。すでに航空券を購入済みの客に対しては、他の便に振り替え、もしくは払い戻しの対応を取る。運航中止による減収は30億円に上る見通し。
井上慎一最高経営責任者(CEO)は「このような事態が2度と起こらないよう、今後は余裕をもった採用と運航の計画を立てたい」と謝罪した。
似たような例としては、北海道・札幌市を拠点とする航空会社エア・ドゥで、機長の体調不良により、3月6日〜12日までの7日間で、計14便が欠航する事態が起きたが、それはあくまでも一時的なもの。
これだけの長期にわたっての大量欠航は前代未聞。しかも、機長の補充がままならいためとなると、もはや論外。
すでに、航空券を予約、購入済みの客にとっては、旅行や出張の予定を変えざるを得なくなり、はなはだ迷惑千万な話だ。
(蔵元英二)