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70歳の無職男が「刑務所に入りたい」と警察署前の掲示板を破壊

 なんとも、迷惑な男が現れたものだ。

 大阪府警浪速署は6月29日、警察署前の掲示板を壊したとして、器物損壊の疑いで、住所不定の無職の男(70)を逮捕した。

 逮捕容疑は、同28日午後7時25分頃、同府大阪市浪速区日本橋5丁目の浪速署前で、掲示板のガラスを拳ほどの大きさの石で割った疑い。

 通行人が「割れている」と通報。署員がかけつけたところ、掲示板のそばにいたこの男が「自分がやった」と自供した。

 男は逮捕の数時間前に、泥酔状態で同署を訪れ、「飯を食いたいから逮捕してくれ。金はない」と話していた。

 そう言われても、何も罪を犯していない者を逮捕するわけにもいかない。署員が「足どりもしっかりしていて、保護する必要はない」と判断し、男を帰した。

 すると、男はあきらめ切れなかったのか、同署前の空き地でウロウロした後、玄関付近の路上に座り込んだという。所持金は約300円だった。

 希望通り、逮捕された男は容疑を認め、「刑務所に入りたかった。逮捕してくれてありがとうございます」と供述。

 逮捕後、朝食と昼食時に弁当が出され、腹が満たされた男は目的を果たした。

 金がなくて飯が食いたいなら、炊き出しに並ぶなど、何らかの手段はあるはず。刑務所に入りたいばかりに、こんなことをされていたら、警察もたまったものではない。
(蔵元英二)

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