同ドラマは、1日に発表された『第16回コンフィデスアワード・ドラマ賞』で作品賞と、ダブル主演の西島秀俊と内野聖陽が主演男優賞を受賞した。更に、愛知県の名古屋パルコでは、8月9日から9月1日まで、本ドラマの企画展が開催されているほか、BSテレ東では、再放送が始まるなど、放送終了後もファンを集めており、何か新しい動きがあるのではないか、とうわさされているのだ。
さて、2010年代、テレビ東京系は、食べ物をテーマにした連続ドラマを多数製作。その走りとなったのが、松重豊主演の『孤独のグルメ』である。『孤独のグルメ』は、2012年にシーズン1が放送されて以降、中高年の間で、「夜食テロ」の言葉と共に人気を博し、毎年、連続ないしスペシャルドラマが作られている。
ところが、2019年は、ここ数年、春シーズンに放送されていた『孤独のグルメ』の新作が製作されてない。
『孤独のグルメ』は、原作者の久住昌之の2019年7月6日のTwitterによると、シーズン1からドラマ版の監督を務めていた溝口憲司さんが今年亡くなってしまい、これまでのテイストが出せなくなっているほか、主演の松重も55歳を超えてしまっており、「大食い」シーンのある本ドラマの撮影は体力的に厳しいと思われ、今年は新作が放送されない見通しであるという。
そのため、テレビ東京としては早い段階から『孤独のグルメ』に次ぐ、グルメドラマのヒットを狙っており、2018年には『最後の晩ごはん』(1月〜3月)、『忘却のサチコ』(10月〜12月)、2019年に入ってからも、『〜元気の出るごはん〜タチ喰い!』(3月)、『きのう何食べた?』(4月〜6月)などのグルメドラマを立て続けに連発。
既にテレビ東京にとって、「グルメドラマ」は確実ヒットの狙えるジャンルであるが、やはり『孤独のグルメ』の壁は大きいのか、どれも続編製作には至っていない。
唯一、ポスト『孤独のグルメ』を狙えそうなのが、深夜帯にも関わらず、平均視聴率3%台を出した『きのう何食べた?』であるが、本作の主演は西島秀俊と内野聖陽という売れっ子俳優コンビで、スケジュールがなかなか合わないほか、助演に田中美佐子や梶芽衣子などのベテランも出演しており、予算面がかかりすぎるという問題を抱えており、第2弾を作るのはかなりの時間を要しそうだ。
そう思うと、出演者が一人、かつロケ現場も一つでよかった『孤独のグルメ』はテレビ東京にとって、まさに「おいしい」ヒット作だったのかもしれない。