キャリア30年の大ベテラン、FUJIWARA・藤本敏史が「ルミネtheよしもと」のステージに1回立った時のギャラを1万6000円と明かしたことがあった。これは1人の取り分。だが、これはまだいいほうなのだそう。同じく吉本所属のお笑いコンビ、ライスは「キングオブコント2016チャンピオン」という肩書きがあるにも関わらず、1ステージは2人合わせて5000円だという。では、最安のステージイベントはどのくらいなのか。
「『R-1ぐらんぷり』予選で笑いをさらったにも関わらず、勝ち上がれなかったことで運営批判したキートンは、あるイベントに出た際、『出演料50円、源泉税5円、差引支給額45円』というものが最近もあったそうです」(エンタメライター)
これが吉本以外の事務所だと途端に跳ね上がる。年間の営業本数200本をこなす「営業の神様」テツandトモ(ニチエンブロダクション)の1ステージは、50〜100万円。仮に70万円だとしてもキートンの1万4000倍だ。また、さらば青春の光・森田哲矢は個人事務所であるため、営業で2ステージこなすと30万円だという。
では、劇場以外はどうなのか。一番オイシイと言われているのはCMだが……『FLASH』(光文社)が発表した「最新版2019年タレント CM ギャラランキング 」で48位につけているのはハリセンボン。女芸人の中ではトップの2,200万円。だが、取り分は本人が1で事務所が9という恐ろしい比率の吉本なので、本人の手元に入るのは安いかもしれないが、それでもCMはビッグマネーだ。ちなみに、CM出演料芸人1位はビートたけしの1億円とも言われている。
芸人がドラマに出ることもある。ギャラも高額な上に、今を時めく人気俳優と共演できるとあって、美味しいのではと思われがちだが、拘束時間が長い。ドラマ『下町ロケット』(TBS系)で好演したイモトアヤコは、これによって1本80万円から100万円にアップしたという。だが、ドラマの撮影は過酷と言われており、深夜3時に解放されても翌朝6時集合などザラ。しかも、2日で30時間撮ることもあるという。100万円がコスパに見合っているのかは疑問だ。
では、芸人の主戦場、バラエティはどうなのか。先ほどのイモトもの場合だと、『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)のギャラは、海外ロケを含めて1本30万〜50万円だという。それでも、彼女の場合はそこからにCMをゲットし、ドラマもこなす。年収は1億円をこえる「億プレーヤー」ともいわれる。だが今回、闇営業に手を染めてしまった芸人の中には、バラエティはおろか、ドラマにも出られず劇場で稼ぐしかない売れない芸人もいた。今回のことで、吉本のギャラアップ、さらには芸人の地位向上が図れればいいが……。