沢尻といえば2007年の映画『クローズドノート』の舞台挨拶で、司会者の質問に対し「別に」と素っ気無い返事をしたことでバッシングを受け話題に。沈静化を図るため後日、ワイドショー番組『スーパーモーニング』(テレビ朝日系)の独占インタビューにこたえ、彼女は涙ながらに謝罪した。
だがそれから数年後、彼女にインタビューしていた赤江珠緒アナウンサーの口から、ラジオで真相が語られることとなった。赤江によると取材の後半、突如、事務所の人間が30分ほど沢尻を連れ出し、嫌がる彼女を説得し始めたのだという。そして再び取材が再開すると、数分の重苦しい沈黙の後に、沢尻が号泣するという流れだったと告白。あの涙は沢尻の本意でなく事務所の人間に誘導された嘘泣きだったことが判明したのだ。
また逆に共演者を泣かせたエピソードもある。昨年、沢尻が『めざましテレビ』(フジテレビ系)に出演した際、アナウンサーから「自分が悪女だなと思うことはありますか?」との質問に対し「そりゃあ、いっぱいありますよ。気に入らない子がいて、収録中にその子のことを泣かせたことがあって。その子が一番ショックなことを私がグサッって言っちゃったの〜」と告白。相手が本気で泣き出し収録が中断されたため「はあ? 何泣いているのコイツ、みたいな。ふざけんなよ! 収録止めんなよ! みたいな」と当時の気持ちを語った。その泣かせた相手と噂されるのが過去に共演経験があり、男関係のもつれで犬猿の仲であったとされる紗栄子。
しかしその点にこそ彼女を落とす糸口がある。そこまで紗栄子に憎悪を抱いているのであれば、その感情に同調できる立場の人間になればいいのだ。恋において同じ方向を向くことはお互いの距離がグッ縮まる。そこでまずテキサス・レンジャーズのユニーフォームに着替え、あご髭を生やす。口鼻あたりはマスクでカモフラージュすれば、どこからどう見てもダルビッシュ。
そして沢尻が前を通りかかったら、床に寝転がり、手足を全力で左右にバタつかせながら「ぶえぇぇぇぇえええん! ぶえぇぇえぇえん! もう紗栄子にお金払いたくないよぉぉぉお!」と全力で号泣しよう。
するとダルビッシュが今後背負っていかなければならない十字架の重みに同調した沢尻は、ボロボロと涙を流しはじめるはず。その涙がこちらの口元に落ちる。沢尻の涙はしょっぱかった。嘘泣きの場合は味は薄いが、感情が本気で揺さぶられている瞬間は交感神経が活発に働いているため、濃い味へと変化する。つまりそれは生まれて初めて沢尻が流した正真正銘の涙であった。真実の感情を引き出したことで、沢尻はこちらに心を許す。あとはお互いに1リットルの涙”を流し続ければ、2人はやがて永遠の愛で結ばれることとなるだろう。
(文・柴田慕伊)