それだけに多くのファンを常に翻弄し、葛藤の渦に巻き込んでゆく。彼女を過去、熱烈に応援していた小林よしのりも2014年12月1日のブログではみるきーを釣り師と認めた上で「恐るべき女だ。毒婦タイプである」とライブ後の感想で述べた。そんな毒婦の様子は『755』でも垣間見ることができる。以前、ファンから「好きな人には彼女がいます。でも好きなんです…」という相談を受けると、みるきーは「結婚してないんだから誰のものでもないわん。関係ないんだよ」と返答。このしたたかさこそがアイドルとして一定の地位を築いただけでなく、噂となったイケメンモデルTに年上の恋人がいようとも、臆することなく立ち向かっていけたのかもしれない。つまりこちらも彼女を落とすためには正面から攻めるべきである。
みるきーといえばアミューズメント施設『ラウンドワン』のCMに出演していたため、ボウリング場コーナーに現れる可能性が僅かにある。だが彼女を見かけたとしても、いきなり話しかけるわけにはいかない。なのでまずエキストラ会社で女性を雇い、その人に頼んでボウリング玉をレーンでなく、みるきーに向かって投げてもらおう。
「T君をかえせーーーー!」とイケメンモデルのファンを装って、雇った女性には玉をぶん投げてもらうのだが、ここでみるきーにケガをさせるわけにはいかない。そこで用意するのが黒のビーチボールである。手に持てば軽量のためすぐにわかるが、遠目から見ればボウリング玉にしか見えない。
あとはエキストラ女性がそのビーチーボールを投げた瞬間、みるきーはそのボールが本物のボウリング玉だと思い絶叫。そこですかさず自分がボールの正面に回り込み、みるきーの壁となるのだ。ボールはこちらの腹部に接触。しかしビーチボールなので痛みはないが、ここはダメージを受けたふりをして、予め口に含んでおいた血のりを大量に吐血しよう。
「ブボボォオ! ブボボボボォォボボボーーーー!」
その場で倒れこむと、心配して駆け寄ってきてくれるみるきー。しかしここでお互いに優しい言葉はいらない。ソロデビュー曲で彼女が歌っている『やさしくするよりキスをして』の言葉通り、強引にキスをしてあげればいいのである。あとは大量の血の海で“ちゃぷちゃぷ、ちゃぷちゃぷ”。何人にも侵すことのできない2人だけの世界がそこに誕生したのだった。
(文・柴田慕伊)