君づけ。昨秋にスタートしたTBSの深夜番組『なかい君の学スイッチ』で使われる際は、意味合いが大きく違う。
そもそも同番組は、中居がTBSと20年以上にわたって育んだ信頼と実績のもと生まれた。前身は、中居がMCの音楽番組『Momm!!』。さらにさかのぼれば『UTAGE!』、『Sound Room』、『火曜曲!』、『カミスン!』で、一貫して音楽だった。ルーツは、90年代の音楽シーンを盛り上げるパーツとなった『うたばん』だ。中居がとんねるず・石橋貴明と見せた絶妙なコンビネーションも、大きなウリだった。
音楽から授業へ――。完全リニューアルされた現在、MCの中居は学級委員の立場にいる。ゲストと準レギュラーは、クラスメイトと先生。先生は、生徒からの素朴な疑問に答えを窮すると、教室(スタジオ)につながる映像で専門家に答えを求める。ここでは誰もが、“君づけ”。中居は、ジャニーズタレントから呼ばれるそれとは違う意味で、“なかい君”と呼ばれている。
授業はこれまで、銀行や離婚、ビットコインや米、ふるさと納税や鍋、大掃除や卵かけごはんほか、生活に密着するものを取り上げてきた。あまたの情報番組と一線を画すのは、なかい君が自身のプライベートを切り売りしまくっている点だ。
番組開始の翌11月には、クレジットカード詐欺に遭っていたことを告白。クレジットマスターという新手の詐欺で、11万440円の被害額だった。さらに、ビックカメラのポイントが90万円もたまっていることも明かしている。
翌12月、鍋を取り上げた回では、「週3回スーパー通い」と庶民派な一面をのぞかせた。そのうえで、実際に作っているひとり鍋を紹介。45歳・独身を思わせる中身は、スーパーアイドルとかけ離れた幻滅鍋だった。
今年1月には、バスタオルの洗濯は10日に1度のペースであると、再びアイドルと思えない私生活をカミングアウト。2月5日オンエア回では、実際に使っている炊飯ジャーを持参する。
ここ数か月は、同番組における中居の発言がネットで話題になり、“バズる深夜番組”という趣きが強まっている。2月に見せる“寂しすぎる独身男の実態”は何か。ダダ漏れの私生活が気になるところだ。