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LiLiCoオススメ「肉食シネマ」 ★恋に落ちた人間の狂いっぷりを楽しむがイイ! 『チューリップ・フィーバー 肖像画に秘めた愛』

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提供:週刊実話

 お仕事お疲れ様です。今回の映画は『チューリップ・フィーバー』。

 最初、タイトルだけ聞いた時、“チューリップがフィーバーって、なんじゃそれ!?”と驚くも、サブタイトルの“肖像画に秘めた愛”に一安心。さらに、もう一つの壁が! それは、物語の舞台が、17世紀のオランダ・アムステルダムということ。“ひゃー難しそう”と、とてつもなく難解な展開を覚悟して見たら、なんと、この作品は“究極のエロス”。あまりにも身体の中から湧き出る欲望に素直だったので、ちょっと笑ってしまったくらいです。

 スペインから独立した当時のオランダは、とても景気がよくて、人は収集や投資に全力を注ぎ、“黄金時代”と呼ばれていました。特に、絵画とチューリップに人は群がりました。

 そんな時代に、コルネリスとソフィアは生きていた。年齢差のある夫婦で不満のない日々をすごしていましたが、一つだけ叶わないことが。それは後継。どんなに愛し合っても子どもを授かることができず、悲しみを覚えていたのです。

 そんな中、夫婦の肖像画を若い画家に依頼します。はい、なんとなく分かりますね。若い画家ヤンは、ソフィアの美しさに惚れ惚れ。ソフィアも次第に、ヤンの魅力に負けてしまうのです。他の登場人物の運命とも見事に交差していき、ただの三角関係だけではない、とんでもない展開が待っています。

 ソフィアを演じるのは、『リリーのすべて』でアカデミー賞を受賞した、私と同じスウェーデン出身のアリシア・ヴィキャンデル。相手のコルネリスを演じるのは、クリストフ・ヴァルツ。彼は『イングロリアス・バスターズ』と『ジャンゴ 繋がれざる者』で2度もアカデミー賞を受賞。また、大きなカギを握る修道院長はジュディ・デンチが自然に、かつ存在感たっぷりに演じます。

 これだけの名前があれば、演技の火花が散るのも分かりますよね! 古い時代を描く映画は苦手という方にもぜひ見てほしい。逆に時代が古いからこそ、官能的な雰囲気が生まれたのかもしれません。

 画家とソフィアが愛を交わすシーンは、とても美しい。時には自分の行動を隠すため、可愛らしい誤魔化し方をするソフィアが、やってることは罪深いのに、どこか憎めない。

 今の季節にぴったりの1本。愛と裏切りの末に生まれた官能的なラブストーリーを、ぜひ堪能してほしい。

画像提供元:(C)2017 TULIP FEVER FILMS LTD.ALL RIGHTS RESERVED.
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■『チューリップ・フィーバー 肖像画に秘めた愛』
監督ジャスティン・チャドウィック 出演/アリシア・ヴィキャンデル、デイン・デハーン、ジュディ・デンチ、クリストフ・ヴァルツ、ジャック・オコンネル 配給/ファントム・フィルム 新宿バルト9他、全国公開中。■17世紀のオランダ。孤児として修道院で育ったソフィア(アリシア・ヴィキャンデル)は、親子のように年の離れた豪商、コルネリス・サンツフォールト(クリストフ・ヴァルツ)と結婚し、安定した暮らしを送っていた。そんなある日、コルネリスが妻との肖像画を描いてもらおうと、紹介された若手画家ヤン・ファン・ロース(デイン・デハーン)に依頼。ヤンはソフィアの姿を見た瞬間、恋に落ち、ソフィアも徐々に彼に惹かれ恋に落ちる。しかし、ヤンが2人の未来のため、当時、希少だったチューリップの球根に全財産を投資したことから、2人の運命は思わぬ方向へと転がっていく。

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LiLiCo:映画コメンテーター。ストックホルム出身、スウェーデン人の父と日本人の母を持つ。18歳で来日、1989年から芸能活動をスタート。TBS「大様のブランチ」「水曜プレミア」、CX「ノンストップ」などにレギュラー出演。ほかにもラジオ、トークショー、声優などマルチに活躍中。

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