番組では、参議院選挙について取り上げる。ジャーナリストの青木理氏は選挙について、「他にいないから安倍政権を支持している人が相当いる。他にいないんだけども、ある種鼻を摘まんでほかに入れるってことも考えないといけない」と野党に投票を促しているとも取られかねない発言を行う。
次にコメントを求められた新井氏は、
「この3年間で、基礎的読解力の調査っていうのを小学校6年生から成人まで8万人くらいにしてきたんですね。で、その結果、あの非常に簡単な短い事実について書かれた文を“たぶん”ですね、高校生の半分は読めずに卒業しているらしいことが分かっている」
と、独自の見解を披露し、スタジオの出演者を苦笑いさせる。新井氏は続けて、
「選挙公報とかマニフェストとかを、読めるのかなっていう事の方がよほど不安で、読めなければ雰囲気に流されるので、雰囲気に流されるんでは、実は民主主義ではないので読めてほしいなって。そこですね、私の心配は」
と、「日本人は文章を正しく理解できていないため、雰囲気に流されて与党を支持している」と持論を展開したのだ。
これに一部ネットユーザーから、「日本人が文章を正しく理解できていないとは日本人に対するヘイトスピーチではないのか」「非常に差別的な発言」「若者をバカにしている」などと、怒りの声が噴出。
また、「守らないマニフェストなど見ても意味がない」「民主党のマニフェストに期待した国民が政権交代を選択して騙された事実を知らないのか」という声や、「読解力がないというなら、きちんと数字など根拠を出して話してほしい」「公共の電波で『たぶん』などと思い込みで読解力がないというのは不適切ではないか?」「誰でも理解できるわかりやすいマニフェストを作れば良いのでは」という指摘、「この番組は与党批判の雰囲気を作ってネットを見ないシニア層を誘導していますよね」と批判が上がった。
一方、『サンデーモーニング』のファンと思われる層からは、「いい事を言った」「実際、安倍政権に投票している人は雰囲気に流されている部分がある」「安倍が国民の知力を下げて政治を思う通りにしようとしている」などという声も聞かれた。
新井氏が指摘する「読解力の低下」については、番組で実際にデータが提示されていないため、今回の放送だけでは「思い込み」である可能性も否定できず、違和感を訴える声が多かった。また、読解力については、文章の書き手がいかに「理解できる」ような内容にするのかということも左右される。そのようなことを一切省いた形で、「日本人はマニフェストが読めない」と結論づけてしまうことに違和感を覚える視聴者が続出した。
今回の放送でも、青木氏の「鼻を摘まんで野党へ投票しろ」発言など、政権批判と野党や韓国の主張など、一部ネットユーザーから「思想が偏っている」と猛批判を受けている『サンデーモーニング』。公平な放送を目指すのならば、政府側の主張もしっかりと放送するべきだが、今回その様子は見られなかった。