▼12月31日 さいたまスーパーアリーナ
観衆 18.316人
▼女子スーパーアトム級トーナメント決勝 RIZIN 女子MMAトーナメントルール 5分3R 49kg
●RENA(1R 4分34秒 チョークスリーパー)浅倉カンナ○
※浅倉が優勝
「みなさんどうしたんですか?」
インタビュールームに現れたとき、報道陣の微妙な空気を感じたRENAは笑顔で逆に問いかけてきた。
現在のジョシカクブームをRENAが築き上げたのは、言うまでもない。昨年末もRIZINを中継しているフジテレビ以外の番組に出演したり、ラジオなど露出も増やして、「次は年末に試合があります」と練習の合間を縫っては全力プロモーションに励んでいた。
しかし、RENAには「ここまで持って来たのは私」という自負がある。だからこそ、後ろを向いて落ち込んでる場合じゃない。
「負けたのは本当に久しぶりなので、みんなが腫れ物に触るように気を使ってくれて。でも、出し切ったので、2年で準優勝まで来て、もちろん優勝を望んでいたけど実際は甘くない。負けても報道されるくらいの女じゃないと」
榊原信行RIZIN実行委員長は「RENAは負けて人気が上がったんじゃないですか」と話していたが、試合後の笑いも交えた会見は、誰もがファンになってしまうようなRENAの人間性が現れていたように思う。
RENAを倒したニューヒロイン浅倉カンナのチョークスリーパーで「人生で初めて落ちた」と振り返っていたが、RENAは浅倉に「私は必ずやり返すから」とリベンジを告げてからリングを降りている。「さすが姐さんです」と言い返した浅倉とのストーリーが、2018年ジョシカクの軸になっていくのは間違いない。
「決勝もイケるかなと思ったら、そこからおかしくなった。それがMMAの難しさ。悔しいけど、まだ2年なので、私のストーリーが面白くなるのはこれからです」
RENA敗戦は生中継で観戦していた視聴者の反応も凄く、試合後にSNSがこのニュース一色になってしまうほどの衝撃だった。それは会場でも同じ。表彰式には「私はクサってないよ」という気持ちで立ったという。
負けず嫌いのツヨカワ女王はまだまだ進化していく。
取材・文・カメラマン / どら増田