この日の会見には、決勝大会が行われる10・1日本武道館大会に駒を進めた魔裟斗、佐藤、サワー、アルトゥール・キシェンコが出席。対戦決定後、初の2人そろっての会見ということもあり舌戦が繰り広げられた。
まずは魔裟斗が「ブアカーオを倒してるんで認めざるを得ない」と評価しつつも「いつもオレの方が上だと思ってますよ」と強気に言い放った。
一方、佐藤も黙っているわけがない。
「自分の方が強いと思ってます」と対抗心をむき出しに「ブアカーオは一番相性の悪い選手だと思っていたんで。その選手に勝てたことが自信になった。今年の格闘技界で一番盛り上がる試合になると思います。その日の主役になります」と魔裟斗超えを宣言した。
佐藤に政権交代を突き付けられた魔裟斗だが「どういう攻撃をやってくるかわかってるんで。これからゆっくり研究しようかなと」と余裕を見せ「日本最強と世界一の座を両方獲ります」。
これまで佐藤の存在を認めてこなかった魔裟斗が、なぜここに来てあえて“日本最強”を意識し始めたのか。
谷川貞治イベントプロデューサー(EP)は「MAXは魔裟斗がエースとして引っ張ってきてここまできた。ああいう戦い方をする選手とは、これまでやってない。プロとしての姿勢が嫌なんだと思いますね」と分析。要するに佐藤は気に食わない存在というわけだ。
さらには「今、女性人気ナンバー1はブアカーオですね。赤坂サカスでのイベントのときもすごかったでしょ。キシェンコも頑張れば、ブアカーオを超えるようになると思います。魔裟斗選手の人気も抜群ですけど、やはり独身の方が人気はある」(谷川EP)。
結婚を機に、女性人気にやや陰りが見え始めた魔裟斗は日本最強を満天下に示し、世界の頂点をつかむことで“復権”を目指す。
2003年以来、5年ぶりの世界王座奪還を狙う魔裟斗のモチベーションは、最高潮に高まっている。