search
とじる
トップ > スポーツ > 落合監督解任効果? 中日ベテラン主力勢に大甘更改

落合監督解任効果? 中日ベテラン主力勢に大甘更改

 12月22日、中日の主砲である和田一浩外野手(39)が契約更改交渉に臨み、年俸4億円(以下、金額はすべて推定)から17.5%ダウンの3億3000万円+出来高でサインした。

 和田自身、1億円を超える選手の減額制限40%程度のダウンも覚悟していたというから、まさに大甘の更改だった。今季の和田はフォーム改造、視力低下の影響で、131試合出場、打率.232、本塁打12、打点54の惨たんたる成績。MVPを獲得した昨年は、144試合出場、打率.339、37本塁打、92打点で、すべての部門で大きく成績を落とした。和田は西武時代の02年にレギュラーとなったが、それ以降では打率、本塁打は自己ワーストだった。それでも、わずか7000万円のダウンですみ、しかも出来高まで付いた契約には和田も御の字だろう。

 実は今オフの中日のベテラン主力勢の契約更改を見ると、和田に限らず、かなり大甘の査定となっている。今季、故障のため、2軍でも1試合の登板もなかった大ベテランの山本昌投手(46)が、1億円から60%ダウンの4000万円+出来高に落とされたが、それを除けば一様に甘々だ。

 和田同様、主軸ながら極度の不振で、142試合出場、打率.232、本塁打10、打点45に終わった森野将彦内野手(33)は、年俸2億2500万円から、わずか3500万円ダウン(-15.6%)の1億9000万円でサイン。

 また、規定打席不足で打率.234だった井端弘和内野手(36)は1億8000万円から、わずか1000万円ダウン(-5.6%)の1億7000万円。逆にヒザの故障で102試合の出場にとどまった谷繁元信捕手(41)は、1億7000万円から、異例の1000万円アップ(+5.9%)の1億8000万円で更改。荒木雅博内野手(34)は昨年の打率.294から.263と、3分以上も率を落としたが現状維持の2億円。

 極めつけはチーム最高年俸の岩瀬仁紀投手(37)か。今季の岩瀬は投球内容も悪く、抑えに失敗する試合も目立った。中継ぎエースの浅尾拓也投手(27)に抑えを取って代わられる機会も多く、セーブ数は昨年の42から37に減少。内容的にはとても、年俸に見合った働きではなかったが、防御率が2.25から1.48と良くなった点を評価され、4億3000万から2000万円アップ(+4.4%)の4億5000万円を勝ち取った。

 他球団なら成績不振の高額年俸選手には大ナタが振るわれるのが常。たとえば、今季5勝に終わった横浜DeNAのエース、三浦大輔投手(37)は3億円から50%ダウンの1億5000万円。スタメンでの出場が減った金本知憲外野手(43=阪神)は3億6000万円から減額制限ギリギリの38.9%ダウンの2億2000万円を受け入れた。

 中日に関しては優勝祝儀もあるだろうが、ベテラン主力勢にとっては、まさに大甘更改となった。そもそも、コスト削減のためにも推定で3億7000万円ともいわれた高額年俸の落合博満前監督(58)を解雇したのに、いったいどうなっているのか。

 スポーツジャーナリストのA氏は、「まぎれもなく落合監督解雇効果です。高木守道新監督の年俸は1億円。つまりは、監督交代だけで、2億円以上の資金が浮いたわけです。ベテラン主力に甘い査定をしても、大幅アップした選手は一人もいませんから、ベテラン全体では今季より年俸総額は減るはずです。その分を大幅アップの吉見(一起)や浅尾に回せます。何の問題もないでしょう。これで、ベテラン勢も、来季気持ちよくプレーできますね」と語る。

 落合前監督の解任効果にあやかった中日のベテラン主力陣。その胸中たるや、いかがなものだろうか。
(落合一郎)

関連記事


スポーツ→

 

特集

関連ニュース

ピックアップ

新着ニュース→

もっと見る→

スポーツ→

もっと見る→

注目タグ