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アラブマネー熱海へ

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画像はイメージです。

 今月中旬、都内某所で開かれた証券会社の中堅幹部が集まる懇親会であるウワサが持ちきりであった。そのうわさとは「マカオにアラブマネーが直接投資されている」
 アラブマネーとは石油産出国の大金持ち達の膨大の資金の総称。その資金がアジアでもっとも巨大なカジノタウン・マカオに投資されているという情報であった。アラブ諸国はイスラム教の教えで動いている。そしてイスラムの教えではギャンブルで遊ぶことは許せてもギャンブル事業への投資は固く禁じている。よって、これまで香港のファンドに投資、迂回してからマカオに流れていたアラブマネーが直接マカオのカジノに事業資金として投資されていると言うニュースは衝撃であり大きな事件の一つであった。
 その会の出席者の一人にその時の様子を尋ねてみる。
 「確かにそのうわさで持ちきりでした。現在、どの証券界でもアラブマネーの取り込みに躍起になっていますから。アラブにとってアジアが非常に魅力的な土地であることを判断したという一つの材料でしょう」
 その出席者の様子は思ったより冷静で私達の想像と違っていた。
 「実は、アラブがマカオに直接投資をしているニュースよりも、もっと驚くべき情報が飛び込んできたのです。それは、そのアラブマネーが現在、凄い勢いで熱海に流れているという話なのです」
 熱海…、熱海といえば東海道の温泉地でありリゾート海岸である。高度成長期には毎年多くの観光客であふれていたが最近では観光客も減り完全に勢いを失った温泉観光地という印象の土地だ。そんな土地になぜアラブマネーが流入するのか?私達にはその情報の重大性がその時は全く分からなかった。

 後日、NMRは大手証券会社勤務の後、現在デイトレーダーとして莫大な利益を上げているヤナギ氏に「アラブマネーが熱海へ流入」しているといううわさをぶつけてみた。
 「本当ですか…」
 まさに絶句という様子で驚きを隠さないヤナギ氏。この情報は金融を知るものにとっては驚愕に値する情報だったのだ。いまだ完全に理解に至っていないNMRに落ち着きを取り戻したヤナギ氏は解説を始めた。
 「まず、このような情報は二つの側面から分析しなければいけません『なぜ、熱海なのか』そして『それが今後どのような影響を持ってくるのか』現在と未来を完全に分離して考えないと真実は見えてこないのです」
 確かに、熱海に投資をするということがどのような意味を持つのか我々には全く想像がつかない。
 「まず一つ目。『なぜ、熱海なのか』。アレほどの巨大マネーが勢いを失った温泉街に投入される。投資資金の回収を考えたら既存の観光事業の再生はありえません。何か新しい動きが具体化してると考えるの自然でしょう」
 アラブマネー、熱海、資金回収、新しい動き、これだけの情報があっても我々には点と線を結ぶ材料がさっぱりわからない。ヤナギ氏は一息置いてゆっくりと答えた。
 「カジノです」
 なんとヤナギ氏は熱海にカジノが建設されるというのだ。
 「熱海にカジノができると仮定するとアラブマネーのすべての動きが納得できるのです。アラブは知っているのです。極東の島国が『黄金の国』に変わる魔法がかかる瞬間を!」
 それからヤナギ氏は『熱海にカジノ』の実現性を多くの時間をかけて語ってくれた。しかしその内容は推測で紙面に載せるにはあまりにも恐ろしい内容だったので此処では割愛させていただく。しかし、『熱海にアラブマネーでカジノ建設』が今後どのような意味を持ってくるのか、ヤナギ氏に語ってもらった。
 「アラブの情報収集能力がこの国にも確実に根を張っているということです。そして今後各方面で多くのアラブマネーが日本に流入してくることになるでしょう。一部には巨大マネーの流入を喜ぶ声があるかも知れませんが、金が組織を作り、結社を育てます。日本で大きな権力をもち既得権益を手にした一部の人間はオイルマネーの流入を快くは思わないはず。資源の無い国・日本で石油資源をバックにした秘密結社の結成を危険視する者が確実にいるのです」
 ヤナギ氏はアラブマネーの流入が新たな権力を生み既存の権力と抗争勃発を警告する。確かに、アラブがどのような情報で日本の熱海に手を伸ばしたのか。そして、いまだベールに包まれているカジノ建設の実現性をどこまで把握しているのか。現実に投資が始まっているいま、黒幕に大きな闇の存在が見え隠れしていると考えるのは邪推であろうか?
 NMRではヤナギ氏と共に今後もアラブマネーの行く先について取材を続けてゆきたい。

 …柳高(ヤナギ・タカシ)
 バブル時代大手証券会社に勤務。バブル崩壊後は非合法カジノの運営に携わり数々の闇の世界に関わってきた。現在は証券会社勤務のキャリアとカジノ時代の情報を生かしデイトレーダーとして莫大な資金を運用し利益を上げている。「日経平均が19000円を取り戻す勢いがつくまで」を執筆期間とし、最近は氏のこれまでの体験を一冊の本にまとめる作業に追われている。

※来週からNMRは火曜日掲載になります

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