彼らが出てきたことで、元祖アカシック・レコード・リーダーとも言われている一人の予言者が再注目されることとなった。「眠れる予言者」エドガー・ケイシーである。
エドガー・ケイシーは、1877年3月18日にアメリカのケンタッキー州にある農場の息子として生を受け、眠りながら行うリーディングで多くの人を救ったと言われている。夢の中でアカシック・レコードにアクセスし、相談者の問題の原因を探り当てていたというのだ。
1945年1月3日、バージニア・ビーチで天寿を全うしたが、その業績に関しては、賛否両論がある。当たっていることもあれば、完全に見当外れの時も多かった。また、未来の世界を夢で見ていた、として予言しているのだが、その予言の内容が現在ではほとんど外れているという点も大きい。
例えばエドガー・ケイシーは、1998年頃日本が沈没すると予言している。これがノストラダムスの1999年の予言とも合致していたため、多くの人、特に昭和の子供たちを恐怖のどん底にたたき落としたこともあった。だが、結局日本が沈没することはなかったのはわれわれが知る通りだ。彼がこのような予言をした背景には、当時のアメリカと日本との政治的な対立からケイシーが過度な反日感情を抱き、「日本沈没」という予言を生み出した可能性があると言われている。また、彼自身がフリーメイソンのメンバーであったとか、グレート・ホワイト・ブラザーフッド「聖白色同胞団」に取り付かれていたと指摘する声も一部にはある。
もちろん、的中した予言も多く、キクイモによる糖尿病改善策を代表として数多くの難病の治療方法をリーディングによって導き出しており、近年では過去のリーディングデータの中から、エイズ治療に効果的な手法が見つかったと言われている。
果たして彼は夢で何を見ていたのか。彼自身の無意識が生み出したメッセージをそのまま語っていたのか、それとも本当に知識のデータベースにアクセスしていたのか。今となっては分からない。
(山口敏太郎)