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オカルトは脳が作り出す? 架空のキャラクターと出会った人たち

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画像はイメージです

 筆者はあくまで物書き・作家であり、本を書くにあたり、幽霊や宇宙人や未確認生物をオカルト現象として取材し、広く体験談を募ったりもする。

 しかし、そんな体験談の中には「まっくろくろすけを見た」「忍者ハットリくんと街で会った」という“意味のわからない証言”が出てくることもある。

 勿論、似たような未確認生物や霊がいる可能性はあるかもしれない。だが、基本「まっくろくろすけ」はスタジオジブリの著作権があるキャラクターであるし、「忍者ハットリくん」も藤子不二雄先生が創作されたキャラクターである。実際に街中で遭遇することは物理的にありえないのだ。

 では、何故創作キャラクターと遭遇するという奇妙な出来事が起こるのであろうか。それは脳の仕組みによる。人間の脳というのはあまり応用が効かない。知らないことは認識できないし、未知のモノに遭遇した場合、脳内に記録されている過去のデータのうち一番近いものを当てはめる。

 つまり、目撃者は「まっくろくろすけ」「忍者ハットリくん」と会ったわけではなく、“見たことがない未知のモノ”を見てしまい、自分が知っている脳内データのうち一番近い「まっくろくろすけ」「忍者ハットリくん」を当てはめただけなのだ。

 また、その人の脳によっては、見たことがない未知のモノ”に遭遇した場合、存在しないものとしてスルーしてしまう可能性さえあるのだ。

 ここから考えると、霊能者や霊感の強い人が言っている「霊視」とか「霊聴」とかいう現象も、同様の現象ではないかという事に思い至る。幽霊を霊視している人のうち何割かは、得体の知れないものに遭遇しているが、脳内でやや変換している可能性があるのだ。また、幽霊を見ないと言っている人のうち何割かは、得体の知れないものに遭遇しているにも関わらず、それが無いものとしてスルーしている可能性さえあるのだ。

 このように考えていくと、オカルト現象の大部分が脳内の産物となる。だが、オカルトはそう簡単にいくものではない。脳内の錯覚ではなく、複数の人間が同時に体験するオカルト現象もあるし、現実に触れることができ、現実に会話ができる幽霊やエイリアン・魔物も存在するのだ。これはいったいどういう事であろうか。ひょっとすると、脳内のデータを「幽霊はいる!」「エイリアンは実在する!」「超能力はある!」と書き換えると、今まで見えなかったものが見えてくるかもしれない。今まで脳内で無いものとして、先入観でカットされてきた情報の中にこそ、オカルトの真髄があるのかもしれない。

(山口敏太郎)

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