夜8時すぎのJR秋葉原駅電気街口。チラシを配るメイドさんから距離を置いた後方、スーツ姿の男性がずーっと立っているのが気になった。メイドさんを気にしている様子だが近づく気配はない。最近こうした光景をよく見かける。
足裏メイドリフレ「キューティーリラックス」(千代田区外神田1-16-10ニュー秋葉原センター2F奥)では、店長自らが不定期に見回りをしている。
「夜間だけでなく土日祝日の日中なども怪しい人がいますね。女の子がトラブルに巻き込まれないように、やや距離を置いて見守っています。ただ、お客さんなのか不審人物なのか線引きが難しいんですよ。話し込んでいたら近付いて『ご案内いたしますか?』と話しかけます」と店長。
同店メイドのすずさんは「夜は気軽に話し掛けてくる酔っ払いが多いですね。『お店どこなの』『一緒に写真撮ろうよ』としつこくされると困ります。若い人は『メアド教えて』『どっか行こうよ』とナンパめいた感じですね」と街頭でのやりとりを打ち明ける。
秋葉原では昨年秋以降メイドさんが襲われる事件が相次いだ。ストーカー行為や“お触り強行”に悩む店もあり、所轄の警視庁万世橋署は今年6月、防犯指導のためメイド喫茶店長らを集めて防犯連絡会を開いた。店側にも自主的な防犯態勢が求められているわけだ。
某店メイドさんは「派手なカラーシャツのチンピラに絡まれたことがあります。だれも助けてくれなくて怖かった」と話す。ドラマを地でいくアキバ系の「電車男」化が待たれる。