その容疑は、5月30日正午頃、同ホテル1階の多目的トイレに、20代の日本人女性客を案内した際、個室に一緒に入って無理やりキスをした上、自分の下半身を触らせた疑いが持たれている。女性客が中に入った後、個室に押し入ったとみられる。
女性は逃げ出し、一緒にいた知人が110番通報して発覚。前総支配人は同日、同署を訪れ、任意の事情聴取に応じたが、「トイレに案内しただけで、自分は何もしていない」と容疑を否認している。
しかし、その後の捜査で、女性の下着などから、前総支配人の指紋やDNA型が検出されたため、容疑が固まった。
事件後、前総支配人は6月8日から、その職を離れ、自宅待機していたが、8月7日付で退職。逮捕状は出たものの、時すでに遅し。同月上旬に日本を出国し、その行方は分かっていない。
仮に本国スペインに帰国しているならば、日本との両国間に、犯罪者引き渡し条約が締結されていないため、逮捕は難しいという。
同ホテルは安倍晋三首相が頻繁に利用しており、海外セレブの御用達ホテルとして知られている。最も高い部屋は1泊100万円もする。前総支配人は昨年12月から、同職に就いていた。
米国を本拠とするハイアットホテルアンドリゾーツは、世界各国に500軒以上のホテルを展開。同ホテルも、その傘下にある。
運営会社は「皆さまにお騒がせしていることは申し訳なく思っている」とコメントした。
(蔵元英二)