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自殺した田中実さんは「ウルトラマンゾフィー」を演じ、子どもたちのヒーローだった

 4月25日、俳優の田中実さんが都内マンションの自宅で首つり自殺しているのが発見された。

 NHKの連続ドラマ小説『凛々と』で史上2人目(当時)の男性主人公を演じ、その高い演技力を買われCMや2時間ドラマでは常に売れっ子のひとりであった。

 また田中さんは、2006年に放送されたウルトラマンシリーズ『ウルトラマンメビウス』で主人公の属する防衛隊の隊長役を演じ、子どもたちにも人気が高かった。

 田中さんが『ウルトラマンメビウス』で演じたのは、ミステリアスな隊長、サコミズ・シンゴ。サコミズは1940年代の生まれであるが、宇宙勤務の「ウラシマ効果」によって年齢が止まってしまい、若い姿のまま2000年代に帰ってきた男だ。

 なお、サコミズは『ウルトラマンメビウス』の最終回で、ウルトラ兄弟の長兄であるゾフィーと一体化しメビウスと共に戦った「ウルトラマンの人間体」でもあった。

 そう、田中さんはウルトラマンの人間体を演じた俳優だったのだ。

 ウルトラマンの人間体を演じた俳優といえば、かつては黒部進や篠田三郎、最近ではつるの剛士、杉浦太陽が有名であり、物故者はまだいないように思われている。

 しかし、実は田中さんの前にも亡くなったウルトラマン役者はいるのだ。それは奇しくも田中さんと同じゾフィー役を演じていた往年の名優、竜崎勝である。

 竜崎勝はフリーアナの高島彩の父親としても有名であるが、知的な風貌と美声で大人気の二枚目俳優だった。彼は「ウルトラマンタロウ」でゾフィーと一体化する博士という役柄で出演し、たった2回の出演ではあるが圧倒的な存在感を見せていた。

 ちなみに竜崎勝は、田中さんと同じ年齢の44才で、肝硬変のためこの世を去っている。

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