ずっと原宿を新宿と間違えている七尾旅人のライブ(今後も日本中であるので、気になる人はぜひ行ってください)が終わり、始まったはいいが、いつもと違い今日は化粧しているの子他かまてちゃんを見に現れた、レコード会社がらみのスーツ族(多分招待)や、仲が悪い業界関係者(多分招待)など、何かが変わり始めていることを表す不穏な客とともに、もともとのファンの子たちやおっさんらが沸く会場に、ひとり取材もぞんざいにあしらわれる記者(多分自腹)。40才過ぎたオンナが、わざわざ足をはこんで実りが多いんだか、少ないんだか…。
ライブ終了後、花火大会後の川原のように、財布や携帯、カギが落ちている会場。記者がさっき拾った携帯は必死で下を探す持ち主の元へ。やっと記者はの子が最後に言った「monoがエミネムに影響されている!」という言葉をぼんやり思い出していた。そして思った。
たしかに、の子らの汚い“ののしりあい”の間にキレイなメロディを織り交ぜた神聖かまってちゃんの音楽スタイルはエミネムに似ているかもしれない。柏の郊外にある集合住宅で片親(売女母ではなく、温和な父ちゃんだけど)と暮らす不登校少年だったの子の生い立ちは、90年代のアメリカの貧困を背負ったエミネムのそれにもなぞらえるし、PVの女装趣味、グダグダに見えてスキの無い音楽や、弱そうに見えて強い精神、(カラダはモヤシで違うけど)の子の顔はエミネムによく似ている。ジャンク・フードとネットに漬け込まれた日常(勝手な想像)までもが似ている。似ていると言うよりは、エミネムの時代から10年経って、アメリカの実情が日本に転写された。そういう事だろう。エミネムの女にだらしがないところは似てない。
そういう事だから、ごめんmonoくん、リーダーのあなたにこんな事言うのも何だけど、今のところ日本のエミネムは君のバンドにいるの子が一番近いかもしれない。君は違うんだ。君にもっと近い外人は別にいる。
「君(monoくん)は、エミネムではなく、“ウォーリーさがせ”のウォーリーではないのか!?」
(コダイユキエ)