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その他 2015年01月28日 17時00分
徹底検証・徳川埋蔵金の真実 トレジャーハンター・八重野充弘 第4回 元警察署長 三枝茂三郎の挑戦(前編)
東京の警察署長や区議会議員まで務めた三枝茂三郎が赤城山麓で徳川の埋蔵金探しを始めたのは、1938年(昭和13年)のこと。以来、およそ30年にわたって苦闘の日々を送るのだが、きっかけは、この埋蔵金をネタにした詐欺に引っかかったことだった。 当時、三枝はバス会社を経営していて、事業を軌道に乗せていた。するとあるとき、知人の紹介でやって来た男が赤城の埋蔵金発掘計画に出資を求めてきたのだ。伝説そのものについてある程度の知識はあったし、水野父子の発掘のことも知ってはいたが、本気にはなれない。だが、男があまりにも熱心に語るものだからつい心を動かされ、金に余裕がないわけでもないので少しばかりの額を渡すと、それに味をしめ、たびたびやって来るようになった。 不審に思いながらもズルズルと金を渡しているうちに、総計でかなりの金額になってきたので、かつての警察仲間に調べてもらったところ発掘は行われておらず、方々から集めた金は遊興費に消えてしまっていた。 三枝は現場近くで酒色にふけっていた男を取り押さえて詫びさせたが、元警察署長のプライドから、これを表沙汰にすることはなかった。それよりも初めて赤城山麓にやって来て、水野家の発掘の様子やうわさ話も含め埋蔵金に関するさまざまな情報を得てみると、全く眉唾でもなさそうだと感じ、自分の勘を頼りにいろいろ調べてみた。 現役時代は腕利きの警察官だったから捜査はお手のもの。さほど時間をかけないうちに、いくつかの手掛かりをつかんだ。 彼は『双永寺秘文』にあった、「一将ヲ覓ムルトキハ七臣ニ達シテ天下平ナリ」の「一将」とは、古井戸から出た家康像(当時はそう思われていた)で、「七臣」は甲乙丙丁戊己庚のうちの七番目の「庚」ではないかとひらめいた。さらに、家康像と一緒に出土した銅皿に刻まれた「子」と「十」(正しくは「井」だが、当時はそう思われていた)の文字に注目し、井戸から子の方角(北)に十尺か十間か十町行ったところに「庚」に関係した何かがあるのではないかと考えた。 すると、北へ十町(約1キロメートル)行ったところに、彼を喜ばせるものが見つかった。たくさんの庚申塔が立つ百庚申(ひゃくこうしん)である。 その場所は、現在の渋川市赤城町長井小川田。水野家のある津久田から、銅板に刻まれた秘文が見つかったという双永寺へ向かう途中の、農道から一段上がった台地の上だ。 三枝は、ここで一大決心をする。バス会社は順調にいっていたにもかかわらず、これを手放し、全財産を懐に赤城に乗り込んだのだ。 「400万両を掘り出し、国のため人のため、大いに役立てる」 彼は百庚申の近くに土地を借りて小屋を建て、土との戦いを開始した。 翌年の春、目と鼻の先の崖沿いの場所で、土に埋もれていた祠が見つかり、その中から仏像とともに日本刀一振りが見つかった。これは後に名刀『村正』と発表されている。また、その周辺から「此の山の中を尋ねよ」「天下平也」などと文字を彫り込んだ石が現れた。 三枝は狂喜した。いよいよ宝は近い! 「一将(家康像)を求めて七臣(百庚申)に達し、宝を見つけて天下に平和が訪れる」というわけだ。 しかし、いくら掘っても黄金が顔を出す気配はない。わずか数年で資金は底をつき、やむなく親戚や知人から借金をするようになった。三枝ほどの人物が、「宝が出たら、何倍にもして返すから」と言うのだから、それを信じて最初は貸してくれる人もいたが、次第にソッポを向かれ、揚げ句の果てには山師だの狂人だのと、ののしられるようにさえなった。 人手の方は、最初は三枝をだまして金を巻き上げた男が罪滅ぼしに手伝っていたが、食うや食わずの暮らしの中で体を壊して早死にし、しばらくは独力で掘らざるを得なかった。やがて、ある人物が協力を申し出て小屋に同居し手伝ったが、彼もまた病死する。 金もない、人手もない、もはやこれまでかと諦めかけた三枝の前に救世主が現れたのは、1957年のことだった。 東京の大塚で『千成最中』という製菓会社を経営する清水信次郎氏が、資金の援助を申し出たのである。おかげで、深い縦穴の昇降を楽にする、大型のモーターやウインチなどの機械類を購入することができた。 地下66メートルの地点に宝庫らしいものを発見したのは、その直後だった。(続く)八重野充弘(やえのみつひろ)=1947年熊本市生まれ。日本各地に眠る埋蔵金を求め、全国を駆け回って40年を誇るトレジャーハンターの第一人者。1978年『日本トレジャーハンティングクラブ』を結成し代表を務める。作家・科学ジャーナリスト。
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芸能 2015年01月28日 16時35分
橋本マナミ 誘ってくるのは既婚者ばかり「愛人から本命になりたい」
28日、女性向け美容・コスメブランド「BELTA」の新製品「ベルタ育毛剤」の発表イベントが行われ、秋野暢子と橋本マナミが出演した。 “愛人にしたい芸能人No.1”として大ブレイク中の橋本は、当イベントでも胸元が大きく飽いたドレスで登場。「分け目を変えて、うなじを見せる。気だるい感じでやるのが良い」と男性を落とすテクニックを披露し、色気振りまいた。 魅惑のボデイで世の男性を虜にしているだけに当然、モテモテライフを送っているかと思いきや、「プライベートはダメです。ブイブイ言わせたい。欲しています」と落胆気味。 また、食事に誘われるのは既婚者ばかりで未婚男性からはほぼお誘いがないという。「愛人から本命になりたい。“お嫁さんにしたい芸能人No.1”になりたい」と意気込んでいた。
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芸能 2015年01月28日 15時30分
エリート芸人の軌跡
「ラッスンゴレライ」のリズムフレーズでブレイク寸前の、8.6秒バズーカー。結成わずか9か月という文字通りのフレッシュ芸人は、今年上半期の台風の目となりそうだ。特筆すべきは、そのキャリア。素人同然だが、振り返ればお笑いの歴史には、驚異的な飛び級でスター街道を走ったラッキーボーイが存在している。最たる例は、ダウンタウンだ。 吉本芸能総合学院(NSC)の第1期生として82年に入学したダウンタウンは、師匠を持たない初の漫才コンビとして注目。トミーズ、ハイヒールなどとしのぎを削りながらも、松本人志の、舞台芸人の概念を根底から覆すような“ボソボソしゃべり”で、類まれな才能が露見。結成5年後(87年)に開始した『4時ですよ〜だ』(毎日放送)でメイン司会を務めるころには、関西でアイドル人気がピークに達し、東京進出後も大成功した。 “第二のダウンタウン”の発掘に躍起になった吉本興業は91年、ネタよりも歌とダンスに尽力する若手芸人のユニット・吉本印天然素材を結成。トップランナーはナインティナインで、モテ顔の矢部浩之、小柄で典型的なコメディアンだった岡村隆史は、またたくまにメンバーの雨上がり決死隊、バッファロー吾郎、チュパチャップス(星田英利&宮川大輔/解散)らを大きく引き離した。 破竹の快進撃を遂げたナイナイは、ひと足早く天然素材を脱退。新人ながらも東京に進出して、『めちゃ×2イケてるッ!!』(フジテレビ系)と出会い、エリート芸人の仲間入りを果たした。 NSC在籍時からすでに多くの女性ファンを獲得していたのは、キングコング。顔面偏差値の高さは当時の吉本イチといわれた西野亮廣と、ナイナイ・岡村を彷彿させた梶原雄太は、大きな挫折を経緯しないまま、東京に進出。『はねるのトびら』(フジ系)という運命の番組に出会ったことによって、盤石の地位を確立した。 そんなキンコンの成り上がりぶりを復活させたのは、オリエンタルラジオ。慶応ボーイの中田敦彦、明治大学出身の藤森慎吾は、高学歴コンビ。結成翌年、NSC在籍時に『M-1グランプリ2004』で準決勝まで勝ち進み、翌05年にはレギュラー番組が開始。翌06年には、冠番組を抱えるまでになった。この最速記録は、当時の芸人界としては初の快挙だった。 苦労知らずで売れると、その後に訪れる“リバウンド”は想像を絶するほど過酷。その壁をどう乗り越え、芸につなげていくかが、息の長い芸人になれるか・否かの境界線だ。(伊藤由華)
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芸能 2015年01月28日 15時30分
【週刊テレビ時評】東出昌大ら豪華キャスト出演でも視聴率は急降下! 真木よう子主演のフジ「問題のあるレストラン」が抱える問題点
今クール、話題作のひとつでもあった真木よう子主演の「問題のあるレストラン」(フジテレビ/木曜日午後10時〜)の視聴率が上がってこない。 初回(1月15日)は真木の“揺れる爆乳”が好評で11.3%(数字は以下、すべて関東地区)をマークしたが、第2話(同22日)は8.4%に急降下し、2.9ポイントもダウンしてしまった。 同ドラマには、会社をやめてビストロをオープンする主役・田中たま子(真木)の恋の相手で、ライバル店のシェフである門司誠人(東出昌大)を始め、二階堂ふみ、高畑充希、菅田将暉、松岡茉優ら、今がまさに旬で人気急上昇中の若手俳優陣がズラリ名を連ねている。朝ドラ「あまちゃん」でも好演した杉本哲太、吹越満のベテラン勢も出演し、しっかり脇を固めている。 それなのに、なぜ視聴率は下がってしまったのか? それは初回の出演シーンの配分と内容に起因するのではないだろうか…。初回で出演時間が長かったのは、YOU、臼田あさ美、安田顕らで、視聴者が期待した東出、高畑らの出番は少なく、菅田に至っては一瞬。松岡は人間嫌いの役ということで、パーカーのフードを被り、マスクをしていたため、全く顔が映らなかった。そのため、彼らの出演を期待して見た視聴者にとっては、不満の残る形となったようだ。 第2話では出演時間の割り振りは大きく変わったが、ソッポを向いてしまった視聴者も多かったのではなかろうか。また、初回では現代では考えられないようなセクハラシーンのオンパレードで、さすがに閉口した視聴者も少なくなかったようだ。 東出は役どころ的には準主役なのだが、NHK大河ドラマ「花燃ゆ」との掛け持ち撮影で、出演時間に限りが出てしまうのか、現状存在感が発揮できていない。 1ケタ台まで落ちた視聴率を上げることは容易ではないが、まだドラマはスタートしたばかり。ここからの巻き返しを期待したい。 連ドラ初の単独主演となっている柴咲コウ主演の「○○妻」(日本テレビ/水曜日午後10時〜)第2話(21日)は15.2%で、初回より0.8ポイントアップし、今クールの民放連ドラでトップとなった。 沢村一樹主演の人気シリーズ「DOCTORS3 最強の名医」(テレビ朝日/木曜日午後9時〜)第3話(22日)は14.4%。初回、第2話ともに14.6%で、15%超えは果たせていないが、安定した数字を維持している。 西島秀俊、香川照之の共演となった話題作「流星ワゴン」(TBS/日曜日午後9時〜)第2話(25日)は11.7%で、前週から0.6ポイントの微増。この週も、裏の「行列のできる法律相談所」(日本テレビ/日曜日午後9時〜)の16.7%に完敗を喫した。 今クールの民放連ドラの初回視聴率で1位(14.8%)だった杏主演「デート〜恋とはどんなものかしら〜」第2話(26日)は13.6%で、前週より1.2ポイントダウンした。 主役の堀北真希が最高級セレブ病院で、玉の輿を狙うナース役を演じている「まっしろ」(TBS/火曜日午後10時〜)第3話(27日)は前週より2.1ポイント下げて、5.7%。27日現在、今クールのプライム帯の民放連ドラではワーストの視聴率となった。 また、NHK大河ドラマ「花燃ゆ」(井上真央主演/日曜日午後8時〜)第4話(25日)は14.4%で、再び15%を割って、前週より1.4ポイントダウン。第4話では第2話同様、後に杉文(井上)と結婚する久坂玄瑞(東出)の出演がなかった。偶然か必然か、東出の出番がない週は視聴率が低迷している。(坂本太郎)
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ミステリー 2015年01月28日 15時30分
中国のタイタニック。太平輪沈没の謎(4)
昨年末に中国で公開された映画「The Crossing」のテーマとなった太平輪の遭難は、犠牲者の数もさることながら、当時の上海政財界を代表する重要人物が巻き込まれたことも含めて、非常に強い悲劇性を帯びている。しかし、太平輪の遭難については、その原因も含めて謎が多く、それらは事故から66年も経過した現在に至るまで解明されていない。 まず、太平輪が貨物船の建元輪と衝突し、沈没に至った大きな要因として、ネットなどでは夜間航行禁止令を犯しての強行出港であったため、夜間でありながら航行灯を消していたことを挙げる事が多い。ところが、上海档案館(文書館)に残されている事故の経緯図によると、回避義務を負っていたのは太平輪の可能性が極めて高く、建元輪の左舷ほぼ中央に衝突している点からも、太平輪の操船ミスが事故の主因と推測される。つまり、太平輪が早期に建元輪を発見し、回避していれば事故に至らなかった可能性が高いのだ。 では、太平輪の回避失敗には、いかなる理由があったのか? まず、建元輪が航海灯を点けていたかどうかは、乗員が全員死亡したため判然とはしない。ただし、夜間航行禁止令そのものの根拠が確かではない他、衝突位置から建元輪の上海到着が早朝になる、つまり「夜間に航行していないと到着しない時間帯の入港」となることから、そもそもそのような指示が存在していたかどうかも疑問なのだ。つまり、航行灯の消灯問題に関しては、根拠がいささか弱いとみなさざるをえない。 では、太平輪が建元輪の発見、回避に失敗した要因は、他に存在するのだろうか? 残念なことに、事故当時の太平輪は多くの問題を抱えており、要因はひとつに絞り込めないのだ。まず、迫り来る共産党軍から避難するため、太平輪には2093トンもの各種物資が搭載されており、同じく定員を大幅に超過していた乗客と合わせて、深刻な過積載状態であったのは間違いない。そのため、船舶としての性能も大幅に低下しており、回避に失敗する要因のひとつとなった可能性は極めて高いのだ。 その上、太平輪には台湾へ避難する上海政財界の要人が多数乗船したことから、先行きに不安を感じた人々が争うように乗船を希望し、出航前の船内は大混乱状態であったとされる。加えて、出港直前に予定外の重要物資を搭載しており、出港時刻を遅らせたばかりか、搭載した貨物のバランスにも問題があった可能性が指摘されている。 そして、出港当日は中国の暦で大晦日にあたり、船内の規律が乱れていた可能性も高いのだ。実際、生存者の証言によると一部の船員も飲酒していたとされるほど、船内の規律は緩んでいたのである。 もちろん、このことは非常に大きな意味を持っていた。(続く)
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スポーツ 2015年01月28日 15時30分
センバツ32校決定! 「82年ぶり出場」の影に隠れた強豪地区の屈辱
1月23日、第87回選抜高校野球大会(以下=センバツ/3月21日開幕)の出場校32校が発表された。 話題となったのは、82年ぶりの出場となる松山東(愛媛県)が21世紀枠で選ばれたこと。同校は旧制松山中の流れを汲む伝統校で、1950年夏に松山商と統合。同年夏、松山東の学校名で全国制覇を果たした歴史も持つ。昨秋の愛媛県大会を準優勝で飾り、四国大会にコマを進めた。県内でも屈指の進学校だという。平日は他運動部とグラウンドを共有するため、野球部が自由になるスペースは『内野』だけ。「いかに効率よく練習するか」を考えることで、好投手・亀岡優樹(2年)を盛り立てる雰囲気も育まれていったのだろう。 「最終候補(9校)に残れば、選出の可能性が高い」(関係者/昨12月上旬) 『21世紀枠』だが、昨年12月12日、各地区連盟推薦の高校が9校までに絞り込まれる。松山東がその9校に残った時点で「82年ぶりの出場」を予想する関係者も少なくなかった。 21世紀枠当確の一報が届いた直後、同校の野球部OB会は「82年前と同じユニフォームで部員たちを甲子園に送り出すプランもある。検討中」と、地元メディアに話していた。 同校への期待が高まるなか、『途切れた記録』もある。兵庫県勢のセンバツ出場記録が止まった。1983年、第55回大会から兵庫県の高校は連続して出場していたのだが、33年ぶりに『兵庫県勢ナシ』となった。 甲子園球場のお膝元の高校が1校も、寂しい限りである。 昨年10月26日から始まった秋季近畿大会にコマを進めた兵庫県の高校は、神戸国際大付校(県1位)、報徳学園(同2位)、津名(同3位)の3校。秋季近畿大会は大阪、兵庫、奈良、滋賀、京都、和歌山の府県大会上位2〜3校によって行われる。トーナメント形式となっており、1位・神戸国際大付校は近畿大会準優勝の立命館宇治(京都2位)、2位・報徳学園は同優勝校・天理(奈良1位)と1回戦でぶつかってしまった。結果、兵庫県3校は全て1回戦敗退となり、55回大会から続いていた記録のストップをある程度、覚悟していたという。 センバツは秋季大会の成績が選考対象となる。近畿・一般選考枠は「6校」。秋季大会終了後、優勝校・天理、準優勝校・立命館宇治、準決勝を戦った龍谷大平安、奈良大付の4校は“当確”とし、「大阪桐蔭、近江、北大津、箕島の同大会ベスト8校から残り2校を」の図式になっていた。 私見になるが、昨夏の甲子園覇者・大阪桐蔭はベスト8のなかでも「頭1つ」抜き出た存在。箕島は一年生中心の若いチームで、公立の北大津は投手力でやや落ちるという印象を持った。近江は小川良憲投手(2年)の前評判が高かったが、本領を発揮できないまま大会を終えてしまった。3校が決め手に欠いていただけに、「昨夏の代表校・神戸国際大付校、注目の一年生・主島大虎投手のいる報徳学園も対象に浮上してくるのではないか」の声もないわけではなかった。 近畿地区には昭和50年代から全国制覇を果たした有名・強豪校が多い。常に甲子園を争う強さを維持する“伝統”には敬意を評するが、「選考で決め手に欠く学校が多かった」ということは、有望中学生が公立校や新興高校に分散した結果でもあるようだ。(スポーツライター・美山和也)
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スポーツ 2015年01月28日 15時00分
ヤクルト真中監督就任もつかの間 進む宮本監督就任&球団身売りへの布石
東京ヤクルトスワローズが相川亮二(38)のFA移籍にともない、獲得球団の巨人に人的補償を行使したのは既報通り。巨人は強化指定選手だった19歳の奥村展征内野手を引き抜かれたショックを引きずっているが、ヤクルトの狙いは野手強化だけではなかった。 「奥村の父親がプリンスホテル時代の宮本慎也氏(44)の同僚ということで、ヤクルトはかなり早い時期から目を付けていました。レギュラークラスの内野手が少ないことに加え、左バッターも雄平が31歳、川端慎吾が27歳と高年齢化しつつある。右投左打の奥村は使い勝手もいいというわけです」(プロ野球解説者) 宮本氏の同僚の息子というのが、大きな決め手になったようだ。 今オフのヤクルトは球団史上最大の補強に踏み切った。FAでロッテのエース成瀬善久(29)と3年総額6億円、日ハムの大引啓次(30)と3年総額3億円の契約を結んだ。さらにMLBのレッズに在籍していたローガン・オンドルセク投手(29)も加わり、総額で10億円を超える大盤振る舞いとなった。これまでのヤクルトといえば補強には消極的で、FA制度で獲得したのは2008年の相川だけだった。 「近年、本社はフランスの乳製品メーカー『ダノン』による株取得に悩まされてきましたが、それもある程度落ち着き、球団に資金をまわせるようになったんです。衣笠剛球団社長も日大の後輩である真中満氏(44)が監督に就任したことで支援体制を決めました」(ベテラン記者) 14〜15年オフで補強に成功したセ・リーグ球団はヤクルトと広島だけだ。優勝チームの巨人は相川と金城龍彦(39)を加えた程度で、2位の阪神は手を出した補強に全敗したと言っても過言ではない。だが、前年上位チームほとんど補強してないからといって、15年ペナントレースでヤクルトが抜け出せる確証はどこにもない。怪我をしている選手がどこまでやれるかという不確定要素が多すぎるからだ。 「故障で長期離脱した館山、小川、由規が復帰できるか。ベテランの石川にこれ以上の上積み(10勝以上)は期待できない」(前出解説者) 弱点だった先発スタッフは成瀬とドラフト1位の竹下真吾(24)を加えたものの、不安視する声のほうが多い。 「技巧派の成瀬は狭い神宮球場では、対戦チームの餌食にされそう。セ・リーグの打線はチーム打率2割7分9厘のヤクルトばかりが注目されたが、巨人、広島、阪神、DeNAの打撃陣は潜在能力が高い」(同) ここまで大型補強をしたにも関わらず、ペナント奪取を逸した場合、ダノン社による株買収で揺さぶられたヤクルト本社も、球団を持ち続ける意義を真剣に検討してくるだろう。 「万が一の有事の際には、監督が真中よりも宮本氏の方が買収先のウケもいい」(関係者) 奥村獲得は将来の宮本体制に向けての布石とも解釈できる。奥村獲得で次期監督の土壌作り、宮本氏の知名度とクリーンイメージで“有事”に備える。まるで、三段跳びの助走のときのような構えだ。 まだ公式戦で采配を振るってもいないのに、次期指揮官の名前がチラ付く真中監督の胸中は複雑だろう。
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芸能 2015年01月28日 14時50分
大胆衣装のローラ 父について何も語らず
タレントのローラが28日都内で世界No.1 バーボンウイスキー「ジムビーム」戦略説明会に出席した。 イメージキャラクターのローラはCMで着用した背中が大胆にカットされたシルバーのミニワンピースでランウェイをクールにウォーキング、見事な美脚を披露した。 イベントではステージに作られたバーカウンターでバーテンダーと英会話トークを笑顔で初公開し、ビームハイボールで乾杯した。(アミーゴ・タケ)
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社会 2015年01月28日 13時00分
世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第110回 おカネが凍り付く日本
現在の日本は、史上空前の「カネ余り」状態にある。 「いや、自分はカネがない。カネ余りなど、どこの世界の話だ」 という感想を抱いた読者も少なくないと思うが、厳密には読者に不足しているのは「所得」である。所得とは、読者が生産したモノ、サービスという付加価値を、誰かが消費、投資として購入してくれなければ創出されない。 銀行などの金融機関でおカネが凍り付き、民間企業などが借り入れず、消費や投資として支出しないからこそ、読者の所得が不足するのである。 借りられず、使われないおカネが金融機関で「運用先(=貸出先)」がない形で固まってしまっている。これが、現在の日本が抱えるカネ余りという“問題”なのだ。 運用先がないカネは、政府への貸出、つまりは国債に向かうしかない。結果、国債金利がゾッとする水準にまで下がってしまっている。 政府の10年物国債金利、いわゆる「長期金利」は、本稿執筆時点で何と0.255%。毎日のように、史上最低を更新している。 5年物国債金利は、1月13日についに「ゼロ」にまで下がってしまった。すでに、1年物国債などの短期国債では、カネを貸し付けた方が金利を支払う「マイナス金利」の状態に至っている。 日本生命は、1月9日に貯蓄性が高い「一時払い終身保険」の保険料について、約1〜2%引き上げると発表した。長期金利があまりにも低下してしまい、国債の運用では十分な利回りを確保するのが難しくなっているためである。 「財政破綻!」などと、識者と呼ばれる人々が叫び続けている我が国において、最も人気がある金融商品は何だろうか。 株式か? はたまた先物か? いやいや、答えは「国債」であるという、バカバカしい状況になっているわけだ。 現在、“世界最低金利国”の座を争い、長期金利0.21%のスイスと、0.255%の日本が、激しいデッドヒートを繰り広げている。何と、むなしい競争だろうか。 「どちらの国が、よりお金が借りられないか?」 そんな座を賭けて、日本とスイスが鍔迫り合いを演じているわけである。 国内の銀行は預金を、生保は保険料を「運用」する、つまりは誰かに貸し付け、金利を稼ぐことが商売だ。金利収入が、彼らの「所得」になる。 預金や保険料がどれだけ集まっても、それ自体が売り上げになるわけではないのである。 現在の日本はデフレ(カネが借りられず、支出されない)に加え、日本銀行の国債保有が増えている。結果的に、金融市場において「国債が枯渇する」現象が発生している。 国債の需給バランスが「需要過多」に傾いてしまい、国債価格が上昇、つまりは国債金利が低下しているのだ。 市場は完全に「お金の借り手不足」あるいは「国債不足」の環境になっている。 それにもかかわらず、政府は国債の新規発行額を今年度より4兆円余り少ない36兆8600億円とする、来年度予算を閣議決定した。 政府が新規発行国債を減らすと、我が国の借り手不足に拍車がかかることになる。 しかも、公共事業という「所得」を生み出す支出は、わずか100億円の増額(誤差レベルである)だ。 同じく「所得」を生み出す介護報酬は、何と2.27%の引き下げ。介護報酬のマイナス改定は、約9年ぶりのこと。政府自ら、需要を削減しようとしている。 おカネの「借り手」の多くは「需要」となる。お金が金融経済に向かう場合は、必ずしも需要にならないが、実体経済で「消費」または「投資(住宅投資、設備投資、公共投資のみ)」として使われれば、読者の所得を生みだす。 所得とは「需要(消費+投資)」に対する支払いという意味を持つのである。 需要が不足するデフレーションに苦しめられている日本において、政府が借り入れと需要を減らすとどうなるか。今年の日本経済が、デフレに舞い戻る確率がどんどん高まっている。 別に、難しい話ではない。余計な先入観なしで、素直に、 「なぜ、国債金利が最低どころか、マイナス金利(短期国債)になってしまっているのか?」 「なぜ、生命保険の保険料が上がらざるを得ないのか?」 を考えれば、誰でも「借り手不足」「国債不足」が原因であるとわかるはずだ。 その次は、 「なぜ、借り手不足なのか?」 と、思考を進めれば、すぐに「需要が不足し、投資先がないから」という答えを導き出せる。 需要が不足しているとは、要するにデフレーションである。デフレとは「貨幣現象」とやらではなく、「総需要の不足」が原因で発生する。 現在の日本の問題が「国の借金で破綻する」や「国債が暴落する」ではなく、需要の不足であると理解すれば、即座に解決策を導き出せるはずだ。 もちろん、政府が需要を創出すること。すなわち、国債発行と財政出動である。 政府が需要を創出するために「新規発行国債」を拡大すれば、金融市場における極端な国債不足は解消に向かう。ようやく、金利は「正常化」することになるだろう。 普通に考えれば、誰でも理解できる解決策に背を向け、政府は「プライマリーバランス(基礎的財政収支)黒字化」と、見当違いの目標目がけて突っ走っている。これで、日本経済がデフレに舞い戻らなければ、そちらの方が不思議というものである。 安倍晋三政権は「国債不足」という現実を認め、国債発行増額と財政支出拡大という正しい方向に舵を切り直す必要がある。 さもなければ、日本経済は再デフレ化し、総理お望みの“長期政権”とやらも、夢幻と終わることになるだろう。 デフレには、いかなる総理大臣も勝てない。三橋貴明(経済評論家・作家)1969年、熊本県生まれ。外資系企業を経て、中小企業診断士として独立。現在、気鋭の経済評論家として、わかりやすい経済評論が人気を集めている。
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社会 2015年01月28日 12時00分
ANAとの“政略結婚”を強いられたスカイマークの乱気流
直近の決算書で監査法人から「事業継続に重要な疑義がある」と“イエローカード”を突き付けられた国内航空3位のスカイマークが正念場を迎えている。窮余の生き残り策として昨年暮れには日本航空(JAL)と提携し、同社との共同運航を目指していた。ところが新年に入るとこれを反故にし、全日本空輸(ANA)グループの傘下に入る可能性が囁かれたのだ。そんな事態になれば、創業以来掲げてきた同社の“独立経営”が崩壊する。 事の経緯を駆け足で説明すると、スカイマークの蹉跌は世界最大の旅客機『A380』をキャンセルしたのを機に昨年7月、仏エアバス社から700億円超に及ぶ違約金の支払いを請求されたことに始まる。格安航空会社(LCC)などとの競争で今年3月期に136億円の最終赤字を見込む同社には、到底支払える額ではない。そこで西久保愼一社長はJALとの二人三脚による事業拡大に活路を求めた。公的支援で再生したJALは2016年度まで新規投資を規制されており、スカイマークへの出資は不可能である。従って乗っ取られる心配はなく、関係者は「その安心感が策士で知られる西久保社長を突き動かした。JALがエアバスから航空機を大量に調達することも、違約金の減額交渉に際して強力な後ろ盾になると読んだようだ」と明かす。 そのJALを差し置き、なぜ強力なライバル関係にあるANAが急浮上したのか。航空業界に精通した証券アナリストは「政治のゴリ押し」と斬って捨てる。JAL再生は民主党政権下の数少ない“勲章”である。政権を奪回した自民党の運輸族がJALとスカイマークによる共同運航の利敵行為を容認するわけがない、というのだ。 実際、JALへの急接近が明らかになるや、民間の交渉にもかかわらず太田昭宏国土交通大臣が難色を示したのは「ANA応援団の自民党運輸族への配慮に他ならない」とアナリストは打ち明ける。 そんな矢先、実にタイミング良くANAにフォローの風が吹いた。航空会社の安全性を検証しているドイツの調査機関が発表した2015年版の『航空会社安全性ランキング』で、ANAが日本企業ではトップの11位にランクされたのだ(昨年は12位)。速報段階での公表がトップ12社のみなのでJALのランクは明らかではないが、昨年版では46位だった。ランキングの根拠は明示されていないものの、自民党運輸族は含み笑いをかみ殺すのに懸命だろう。 ではANAから出資を仰いだ場合、スカイマークはどんな命運をたどるのか。他の航空会社に株式の20%超を握られた場合、羽田空港の発着枠(1日36枠)の返上を迫られるため、ANAの出資比率は20%以下にとどまるのは確実だ。株主総会で重要事項に拒否権を行使できる3分の1には及ばないところがミソともいえる。 何せ西久保社長自身、発行済み株式の30.5%を保有する筆頭株主である。保有比率が少々低下したところでワンマンとしての影響力が急速に低下するとは思えない。だからこそ、スカイマークはこのタイミングに合わせて投資ファンドなどを対象に発行済み株式の約25%に相当する第三者割当増資を行うほか、銀行融資を取り付けて体力強化を図る。 このシナリオが動き出した際、西久保社長は「究極の落としどころを探っていた」と情報筋は指摘する。 旧運輸省が打ち出した規制緩和政策の下、新規航空会社が次々と誕生した。ところがエア・ドゥ、スカイネットアジア航空、スターフライヤーとスカイマークを除く3社が経営難からそろいもそろってANA傘下に組み込まれた。だからこそANAがスカイマークへの出資を機に自らの排除を画策すれば「規制緩和に逆行し、ANAの乗っ取りを世間にアピールできる」との見立てであった。 西久保社長といえば「客の苦情は一切受け付けない」と宣言するなど、航空業界の異端児として知られた存在。その御仁が、いくら国土交通省の顔を立てる必要に迫られたとはいえ簡単にANAの軍門に下るわけがない。むろん、ANAとて西久保社長の強烈な個性は承知している。航空関係者は冷ややかだ。 「国交省から“政略結婚”を要請された時点で、ANAは用意周到に彼の排除シナリオを練ったに決まっている。最大のポイントは無謀なエアバス調達を決断し、会社をどん底に追い込んだ経営責任をどう問うか。出資と引き換えに詰め腹を切らせればベスト。金を出す以上、それぐらいの条件を突き付けるのは当然です」 そのことを察知したからだろうか、1月14日、スカイマークは自主再建を目指す方針を固めた。とはいえ乱気流から抜け出せたわけではなく、“3位”をめぐる攻防戦はこれからが本番だ。